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2008年10月31日 (金)

神無月の巫女 第12話「神無月の巫女」

 隠し続けてきた事実を口に出せるとしたら、それは
何もかもが終わった後、すべての思い出が消える直前の、
最期の瞬間だけ、、、。千歌音はそう決めていたようです。
彼女からはいったい何が語られるのでしょうか。その時
姫子は何を感じるのでしょうか。

 テレビアニメ「神無月の巫女」第12話「神無月の巫女」
です。
 姫子の刀が千歌音を貫いた。愕然とする姫子は、
床に崩れ落ちた千歌音をすぐに抱き上げる。必死に
呼びかける姫子に、千歌音は弱々しい声で言った、
「これでいいの」と。

 剣の巫女の儀式を完成させれば、オロチは封印され、
世界は悪意から解放される。その新しい世界には
誰がいるべきなのか、誰にいてほしいのか、、、。
千歌音の行動はこの思いから始まったようです。
 でも彼女がしたのは、敵に寝返り、人を傷つけ、
世界を滅ぼす力を振りかざす振る舞いでした。聡明で
思いやりのある彼女がする事とはとても思えないもの
ばかりです。
 これほどまでに彼女を変えてしまったのは、
巫女としての運命だったようです。どうやっても
逃れる事ができない、2人のたどる道。絶望的な
道のりの行く先が見えた時、千歌音は自分のやるべき
事を確信したのかも。
 以前千歌音は、自分達の運命に立ち向かう
気持ちを語っていました。もしかしたらあの時の
彼女は、自分達2人が特別な関係だったのを、
素直に喜んでいたのかもしれません。一緒にいても
おかしくない理由が増えたわけですし。でもその後
すぐに自分の無力さを思い知らされ、やがて巫女が
どういう最期を迎えるかをつきつけられ、自分が
自由にできる余地が少ないと悟らされたのでしょうね。

 それでは姫子の方はどうでしょう。姫子は、自分が
価値のない人間だと思い続けて育ってきたため、
周りに対しても積極的に関わっていく事ができず、
集団の中でいつも縮こまっていました。自分に興味を
持ってくれる人などいないと思いがちだったのか、
自分の事でせいいっぱいで相手の気持ちを想像する
力が十分ではなかったように見えます。
 彼女は、控えめで相手を立てるという点では良さが
あったかもしれません。が、裏返せばいつも他人任せで
自分の意見を持たない、とも言えそう、、、。優しい
友達は彼女の性格をよく知っていますから、彼女に
無理をさせないように守ってしまう場面が多かったの
でしょう。
 そうやって姫子はやっと生きていく事ができた
ようでした。でもそれは同時に、周りの思いに気づく
機会を失って、ただ誰かに甘えて生活を送る日々にも
つながっていたみたいですね。それが募っていった
結果として何が待っているのか、彼女はその瞬間が
訪れるまで一つも気づきません。そして気づいた時
にはあらゆる物事が決定づけられていて、もう彼女の
力ではどうする事もできなさそうに思えます。

 彼女達は、結局、運命に逆らう事はできなかったの
でしょうか? オロチと戦い、世界を救い、儀式を
完成させる、その繰り返しをただ繰り返すだけだったの
でしょうか。
 そうではない、と信じたいです。千歌音と姫子、
2人の間に生まれた感情は、どんな厳しい運命にも
決して消し去る事のできない、強い絆なのですから。
2人がふれあったぬくもりは、どれだけ引き離されても
彼女達の胸に輝いているのですから。

 、、、といった感じで、エンディングまで楽しめる
作品でした。特に今回は、後半の姫子と千歌音の
会話の部分が感動的でした。2人とも、自分達の
「本当」に気づく事ができて良かったのではないかと
思います。

・神無月の巫女 短期集中レビューリスト

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