初恋姉妹 コミック第９話

　千夏は、何があっても榛菜の力になって
あげようと決めているみたいですね。自分の
できる限りの努力で相手についていこうと
行動しています。果たして彼女のこの思いは、
榛菜に受け入れられるのでしょうか。
　第２部のクライマックスです。

　原作津ノ守坂ソロリティ、キャラクター原案
ひびき玲音さん、作画東雲水生さんによる作品で、
コミック百合姫のVol.7に掲載され、単行本第２巻に
収録されている「初恋姉妹」第９話、「絆のかたち」
です。
　津ノ女祭でにぎわう校内を、榛菜に会いに行こう
と歩く千夏。しかし、榛菜にもらった大切な
ビーズの指輪をなくしている事に気づく。大あわてで
探し始めるものの、焦ってもいっこうに見つける
事ができない。

　第２部での透子の役割は、、、少なくとも
千夏と榛菜に対してはちょっとおせっかいだった
ような気もしますね。第１部のエンディングや
第８話辺りを見ていると、あまり干渉しなくても、
千夏がリードする形で榛菜の苦しみを解き放って
あげられていたのではとも思われます。透子は
「うわべの恋は、、、」と言っていますが、彼女が
手を貸さなければ続かないような恋も「うわべ」
だけなのではと感じられてしまいます、、、。
千夏と榛菜の場合には、自分達の力だけで問題を
解決して結びつきを強くしていってもらいたいかも、、、。
ですが、やはり明穂などには心配や苦労をかけたり
する事もあるのでしょうね。そんな時透子には、
人の恋路をどうこうするよりも、明穂の思いや
悩みを救う役割の方がふさわしいのかもしれません。

　今回の透子は、明穂に対しては少し荒っぽい
やり方で相談に乗ってあげた、とも言えそうです。
透子も女性ではありますけど、気持ちの深い部分に
立ち入るのに女の子を泣かせる事までしたわけ
ですから、それなりの責任は取ってもらわないと
、、、かな？　透子と明穂の間には、お互いを
強く意識するようなものはまだないみたいですし、
もし何かあるとしたらこの後、だったりするの
でしょうか。明穂の透子に対する第一印象は
あまりよくありませんでしたけど、それが
やがて、なんていうエピソードも考えられそう
ですね。

　さて、千夏と榛菜です。第１部では榛菜の
冷たい態度におろおろする事が多かった千夏
でした。それが第２部に入って、相手を信じる
事、支えてあげようと思う事ができるように
なってきたようです。これは入学したての頃の
彼女から見れば、大きな進歩なのでしょうね。
でもまだその思いは十分な強さを持っていない
みたいです。榛菜がくれた指輪を見失って
しまった千夏は突然取り乱してしまって、、、。
　これは、彼女達の交際が始まってまだ間もない
事が影響しているのでは。２人だけで紡いだ
思い出がまだ少ないから、ちょっとした
はずみでも、すぐに弱さが表面に出てきて
しまう、みたいな。もちろん、榛菜が初めて
くれたプレゼントはとても大事なもので千夏に
とってはかけがえのない思い出でしょうから、
これをすぐにあきらめるなんてできないの
でしょう。そこが今回のポイントにつながる
のでしょうね。

　雨に濡れる千夏の前で、傘を閉じる榛菜。
この辺りの場面は良いですね、、、。千夏の
思いに、榛菜がきちんと応えてあげようとする
感じが伝わってきます。どちらか１人が
もう１人を追いかける、なんていう一方的な
関係ではなく、彼女達２人がちゃんとお互いを
見つめ合う、そういう間柄になれそうな予感
ですね。ここから後の２人のやり取りは、もう
何というか甘い雰囲気いっぱいです、、、。
この作品のこういう所が個人的には好みだったり
します。

　この次からの第３部でも千夏と榛菜の周り
にはいろいろな問題が持ち上がったりするの
でしょう。でも何とか２人の力で乗り切って
甘い世界を展開してもらいたい所です。他にも
明穂や透子、知織の思い、それに美夕と桐香の
関係などたくさんの物語がありそうですよね。
それらを楽しみたいです。というか第３部より
後ももっと続いて欲しいのですけれど、、、
どうにかならないものでしょうか（ノベルとか
ドラマCDで続きを描く？）。

　ところでVol.7の表紙はひびき玲音さんの
担当で、次からは他の人にバトンタッチする、
というシチュエーションでしたね。しかも
描かれているのは千夏だけ。キャラクター１人で
百合を表現するというのも実はイラストとしては
珍しい構図なのかも、と思いました。

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