アオイシロ －花影抄－ 第９話

　「勝ちの目」を見つけられない梢子。
それでも危険に飛び込んでいけるのは、
勇気を与えてくれる人がいるからなの
でしょうね。運がないといわれていた彼女
ですが、この後の場面を見ると、意外と
そうでもないような、、、。

　発行JIVE、月刊コミックラッシュで連載中の
「アオイシロ－花影抄－」、第９話です。
　梢子達の前に現れた馬瓏琉が放った摩多牟
は、周囲の魍魎どもを次々に吸収していく。
強大な災いの力を目の当たりにしたカヤは、
これを幸いへと変じるための策を見出そうと
考えを巡らす。

　「剣」の力の強さと危険をナミから指摘されて、
カヤはちょっとひるんだ様子を見せていますね。
これが少し前までの彼女だったら、何の
ためらいもなく力を使おうとしたのでは、
という気がします。梢子の魂を救う事だけを
胸に、鬼になり果ててまで自分の選んだ
修羅の道を突き進んできたカヤ。彼女なら、
目的を果たすためであれば自分の身が
どうなろうともかまいはしなかったでしょう。
　けれど、今はもうそうではなくなって
しまいました。命を奪われたと思っていた
人が、実は生きていた、、、。もうその事だけで、
彼女は身も心も鬼である必要はなくなったの
でしょう。そんな彼女がやるべきなのはと
いうと、本当の敵を倒す事、梢子達を生かす事、
そしてこの戦いを勝ち抜いて、もう一度梢子と
きちんと話し合う事、だったりするのかなと思います。
そのためには、自分の命を簡単に捨てるような
真似はできないのでしょうね。果たしてカヤが
梢子とゆっくり互いの思いを伝えられる時が
来るのか、気になります。

　コハクは、人に災いをもたらす強い力が
集まってきたのをどうにかしようとして、一つの
力に狙いを定めています。こういう場合、
まずは一番弱そうな相手を倒して突破口を
作るのが常套手段だと思われますが、彼女が
襲いかかったのは、馬瓏琉でした、、、。つまり
この人が倒しやすそうだと思った？　いえ、
２人はただならない関係にあるらしいですから、
久しぶりに出会った今、決着をつけようと
考えたのかもですね。

　そうしてコハクやカヤ、汀達は、馬瓏琉と
摩多牟、魍魎の群れとの戦いに突入していく
ようです。、、、が、バトルの詳しい様子は
ほとんど描かれていないみたいです。結果に
ついて後で馬瓏琉が少し話していますが、本当に
この人の言う事を信じていいのかどうかも
わかりませんし、それにこれだけだとちょっと
盛り上がり方が足りないような感じもしてしまい
ます。
　これは、全内容はゲーム本編で楽しんでね、
という意味だったりするのかもしれませんけれど
、、、でもやはりコミックだけで閉じた内容
として見てみたいかもですね（ゲームの筋書きを
きっちり追わなくても良いので）。まあページとか
シナリオの都合などがあってなかなかそうも
いかないのでしょうね、、、。単行本化された
時にエピソードが追加、、、というやり方も
難しいかな、、、。
　ちょっと見てみたいのは、馬瓏琉や摩多牟と、
コハク達のバトルの成り行きとか、安姫が
どうなってしまったか、また根方の家で本当は
何があったのかなど、、、。後で言葉では説明
されるのでしょうけど、物語の場面の中で
見てみたい気がします。

　今回見所としては、最初にも書いた梢子の
決死の選択辺りがあるでしょうか。ここで彼女は
自分の「運」を試される事になります。が、
小さい頃の事故でそういうものをすっかり
使い果たしてしまった（らしい）彼女は、
それ以来時の運から見放されていたようで。
そんな彼女には、運を天に任せるような行動は
とても嫌な思い出しかないのでしょう。でも
何かを選ばなければならない状況に追い込まれて、
梢子は決断したようですね。結果は、、、実は
かなり運が良かったのではという気がします。
　これができたのは、勇気と自信を与えて
くれる人がそばに寄り添っていたから、なの
でしょうね。そこから百合な気持ちを彼女達に
発展させていってもらいたいです、、、。

　さて今号分から、ゲームのシナリオとは
違う展開になると言われていました。
見てみると、確かに後半の方から、明らかに
オリジナルな雰囲気になってきてますね。
せっかくここまでになっているのですから、
全員が自分達の能力を発揮して戦える場を
提供してもらいたいかもです。それと百合
テイストを見せつけられる場も、、、。

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