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2008年2月10日 (日)

アオイシロ -花影抄- 第8話

 ナミ、つなみ、安姫、、、。いろいろな記憶や
人格が1人の体に宿って、それぞれが目覚めたり、
眠ったり、果ては互いに融合まで、、、。劇的な
変化が、この小さな女の子に何か大きな影響を
及ぼしそうな気もするのですが、もしそうなったら
梢子はちゃんと責任を持って面倒を見てあげる
事はできるのでしょうか。

 発行JIVE、月刊コミックラッシュで連載中の
アオイシロ-花影抄-」、第8話です。
 ナミの中に宿る安姫の願いを聞き入れ、彼女を
伴って卯良島へ渡る梢子。それは同時に、剣を携えた
剣鬼カヤ、そして汀とコハクらを追う事になる。
 自分達の無事を知らせるために花子に連絡を
取った梢子は、剣の秘密を相手に語るのだった。

 カヤ、汀、コハク、強い力と使命を持った女性達が
前回同じ場所に集結しました。そこでは、相手の素性が
はっきりしない状況で敵味方入り乱れてのバトルに
なってしまった感じでしたね。相手や自分の立場を
冷静に詳しく分析すれば正解をすぐに見つける事が
できたのかもしれませんが、彼女達にはそれをする
時間も惜しかったと言えるのでしょう。
 また、敵や味方の人物像に似通っている部分が
あったのも、正しい判断を下す妨害になっていた
ようです。隻眼白髪の、、、とだけ言われて、あの
不自然な状況の中で出くわしたら、誰だって間違えて
しまいそう。汀がもっとけんかっ早い性格だったら、
しなくてもいい戦いに発展していた可能性もありそう
ですね。
 こういう感じの、誰が敵になるのか味方なのか
微妙にはっきりしない展開というのは、特に
ゲームだと大きな特徴になりそうですね。選択肢の
選び方次第では剣を交える相手が変わる、なんて
事もあるでしょうし。でもコミックだと、筋道が一本
だけなので、あまり揺らぎのない設定にした方が
良いかなという気もしたり、、、。とはいえゲームの
テイストが少なくなったりするのはちょっと面白くない
ですし、難しい所なのかも。
 微妙な所といえば、「夏姉さん」の名前、、、。
第7話では汀は「鳴海夏夜(なつよ)」と言って
いましたが、今回馬瓏琉は「鳴海夏代(かや)」と
言ってますね。どちらか一つだけが正しいのかも
しれませんし、カヤが場合によって名前を変えて
いたとかも考えられます。もしそうなら、名前を
変える事になったいきさつなど知りたい所です
けれど、それが語られる予定はなさそうでしょうか
、、、。またカヤが「根方の祭祀」に戦いを挑んだ
とも言われていますが、その辺りのいきさつも
どうだったのかちょっと知りたいですね(カヤが
剣鬼になった後の事らしいので、梢子と離ればなれに
なってからの事件?)。
 隻眼鬼があっさり登場してしまったのも、少し
もったいなかったような。今まで汀やコハクの
話し言葉の中だけに登場していた感じで、いったい
何者なのだろうとと思っていたら、、、。ここまで
女だけの戦いになっていた所へ急に現れると、何か
ちょっと違和感が、、、。これが「男対女」の戦いを
表しているとすれば百合的にも面白そうなのです
けれど、今はまだその辺はわからない雰囲気ですね。
でもこういう流れになった意図はあるのでしょうから
そこで(百合的にも)感動的な展開を見せてもらいたい
気がします。

 ちょっと切なかったのは、カヤが剣鬼になった
理由だったりします、、、。失ってしまった大切な人を
取り戻す事はできない。でもせめて彼女の魂だけは
救いたいと考え、カヤは鬼にまで身を落とし、剣を
奪うという罪を犯し、さらに引き合わせてはならない
魔物のいる場所まで剣を運んでしまいました。カヤは
自分がいったい何をしでかそうとしているのか、
よくわかっていたのでしょう。大切な人の命を
奪った者の命を奪う、、、そんな、憎しみの連鎖しか
生まないような不毛な復讐をしたところで、人の
魂が救われるなんて言えそうにない。でもカヤは、
自分の罪を重ねる事になったとしても、その道を
選んでしまったようです。
 ところが、この世界の現実は、彼女が考えていた
ものとは違っていました。大切な人は実は生きていて、
とても健やかに育っていた。しかも何年も前に
離ればなれになってしまった自分の事をちゃんと
憶えてくれていた。抱きしめ合い、互いのぬくもりを
感じる事もできたようです。
 では今まで自分がしてきた事の意味は何だったのか
、、、。カヤがこの世に居続けるためのよりどころだった
ものが、崩れ去る瞬間だったのでしょうね。自分が
存在する理由すらなくしてしまったような彼女が、この後
どういう行動を取るのか、気になる所です。
 後はこれからのナミの生き方も気になるかも。
いつも眠たげな、記憶喪失の少女「ナミ」、梢子と
重要な接点を持つ、記憶の中の面影「つなみ」、
そしてコハクを知り、梢子に救いの手を差し伸べた
女性「安姫」、、、一つの体に宿った三つの人格が
融け合おうとしている? これはナミ自身にとって
大変な事態のようにも思えます。彼女を取り巻く
状況の変化も激しいですけど、本人がどうなって
しまうのかも注目、なのではないでしょうか。
 「-花影抄-」は、ゲームで用意されている
シナリオとはまた別のルートになっているそうなの
ですが、どういう結果に落ち着くのでしょうね。
是非百合度の高いエンディングになってもらいたい
所です。

・「アオイシロ」レビューリストレビューセンター

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