GIRL×GIRL×BOY -乙女の祈り- 第7話
ただ愛しているというだけでは、一緒に
いる事を認めてもらえない。また認めさせる
だけの力を、彼女達はまだ持っていない
ようです。だったら離れていた方が楽だし
傷つかない、、、でもそれは、2人の本当の
気持ちではなかったみたいですね。
無料配信されているWEBコミック誌
COMIC SEED! に連載中のKUJIRAさん作
「GIRL×GIRL×BOY -乙女の祈り-」
第7話です。今回が最終回となります。
風花は、利理の事で一太の言っていた
言葉の意味がわからなかった。利理の本心
とは何なのか。風花の思いは答えを求めて、
これまで3人で過ごした日々をいつしか
たどっていた。
風花、利理、一太は、これまでそれぞれ
自分の勝手や思い込みで行動してきた所が
あるような気がします。利理にしても、深く
考えての行動だったとは思いますが、相手が
どんな気持ちになるかまではわかってあげられ
なかったみたいですね。
余計に歯車のかみ合わなくなってきた
「さんにん」の中で、うわべではない本心が
どこにあるのか、最初に気づいたのは一太
だったようです。もっともこの人も、自分が
3人の輪の中にいられなくなるかもしれない
状況に陥ったために、自分の周りを冷静に
見渡すきっかけをつかんだとも言えそうです。
それだけこの3人は、周囲の状況がわからない
ほど追いつめられていたのかも。
早速行動を取り始める一太でしたが、
一発で皆の仲を元通りにできるような
都合のいい方法はさすがに思いつかなかった
みたいです。が、どうにか風花を元気づける
事ができたようで、そうすると次は風花の番
、、、。利理のため、と思えば、彼女も今まで
ためらっていた一歩を踏み出す事ができるの
でしょう。
小さい頃に抱いた一つの願い。最初は、他人
からさげすまれていた自分に手を差し伸べて
くれるたった一人の人へ向けられた幼稚な愛情
だったのかもしれません。でもその思いは時が
たっても弱まる事はなく、また他へ向けられる
事もなく、彼女の胸の中で育っていきました。
そしてもう誰からも遠ざけられる事がなくなった
今でも、彼女は一人の相手だけを見続けています。
この気持ちは、偽物でもないし不毛でもないと
言えるのではないでしょうか。
後は本人がそこに気づいて自信を持てるか
どうか、そして相手がこの気持ちに応えてくれるか、
ですね、、、。そこがこの物語のクライマックスに
なってくるようです。
最初コミック・ハイ! の5月号に読み切りで
掲載されたこの作品(タイトルは「乙女の祈り」
でした)を見た時は、女同士の恋愛なんて、とか、
やっぱり女には男が、みたいな部分が強調されて
いるような気がして百合的には悲しい雰囲気を
感じていました。が、連載が始まって、ちょっとの
事ではくじけない風花の根性(?)の強さや、逆に
利理に依存しすぎている彼女の雰囲気が
気になったり、、、。でも今回までで彼女も何か
ちゃんと自分なりの気持ちを持てるようになった
みたいで、良かったのではないかと。(この作品の
肩書きにある「百合と彼女とノーマル男子による
三角関係!」という文句から、百合がネタ的に
扱われているのではという心配も少しあったので
なおさら。)
風花と利理にとっては、すべての問題が解決
したわけではないのでしょう。これから2人で
生きて行くにはそれなりの決心が要求されるの
かもしれません。けれど、2人で手をつないで、
お互いの隣を歩いていけるのなら、何も怖いものなど
ないのでしょうね。
この作品の単行本が4/28に発売されるそうです。
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