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2008年1月 4日 (金)

ウエルベールの物語 第14話

 リタとティナの2人にまた会えるのは
嬉しいですね。前回最後の場面で何を
話し合っていたのかもわかりましたし。
後は百合なテイストをますます高めて
いってもらいたい所です。

 今月から放送開始となったテレビアニメ
ウエルベールの物語 第二幕」、第14話
「再会の章」を見てみました。(なお、話数は
前シリーズの第13話から続いています。)
 リタが運んできたハイデル王の書状は、
無事にグリーダム国のノイシュバーン王に
届けられた。またティナも、両親の仇である
「死神蜂の男」がいるというこの国で捜索を
始める。しかしそれは同時に、旅の終わりと
2人の別れを意味していた。

 大役を果たしたはずなのに、なぜか浮かない
顔のリタ。彼女の胸に思い起こされるのは、
苦難の旅を一緒に乗り越えた仲間達だったの
でしょう。特に、最初からずっと隣にいて、
決別の危機に見舞われながらも深い絆を
結び合う事ができたティナへの気持ちには
強いものがあったのではないでしょうか。
リタは知らず知らずのうちに、ティナと
最後の会話を交わした、あの波打ち際での
ひとときを思い出していきます。
 と、ここで第13話のエンディングの場面が
回想として入ってきます。前回放送時は
音楽が流れるだけで彼女達の言葉は聞こえて
きませんでした。が、今回はその部分が
きちんと再現されていて、演出的にもなかなか
良かったように思います。一気にあの時の
彼女達の気持ちを思い出せたような。

 敵の追っ手と開戦の危機に迫られながら、
険しい道のりを旅してきた間柄ですから、
普通に考えても、別れは惜しいものでしょう。
でもこのリタとティナの間には、それを上回る
思いがあるように感じられます。彼女達は、
別に二度と会えなくなる訳ではないし、リタの
城へ来ればお尋ね者どころか国の危機を
救った立役者としてリタとティナ2人そろって
もてなされるはず。誰も2人の間の仲を
引き離そうなどとはしないでしょう。
 それでも2人は、今、自分が相手のそばに
いない事を寂しく思っているようです。
そこまでになったのは、単に2人が一緒に
いたからというだけではなく、お互い
相手に対して惹かれてやまないものが
あったからなのではないかと思われます。
リタとティナ、それぞれにとって、相手が
かけがえのない存在なのだとわかったのでは。
 またその思いは、周囲の人達にも伝わって
いたようです。ジンはティナが「らしさ」を
見失っている原因をきっぱり言い当てて
いましたし、ガラハドも(若干天然気味に)
2人が一緒にいるのが当然みたいに考えて
いたらしく。やはりリタとティナが行動を
ともにする事が、この物語らしさにつながって
いるのではないでしょうか。
 これまでの旅で、2人はお互い相手の
大切さを理解したと思われます。この後の物語
では、もっと大きな困難が待ち受けている
かもしれませんが、何とか乗り切っていって
欲しいですね。姫と、彼女を奪っていった
女盗賊の、つないだ手の感触を忘れずにいて
もらいたいものです。

 その他少し気がついた点は、、、オープニング
とエンディングの曲は、前のシリーズと同じ
みたいですね。今公式サイトのトップで
聞ける音楽が新しいテーマ曲になるのかと
思ったのですが、ちょっと違ったようです。
後は、久しぶりにティナの「峰打ちショット」
が見られました。前シリーズでも後半には
あまり使われていなかったので懐かしかった
かも。でも今回いきなり2回使うよりは、例えば
後半の場面で1回だけ使う方が演出的には
印象に残ったかも、なんていうのは細かすぎ
でしょうか、、、。
 それから、そう言えばリタと別行動を
とっている時、ティナとジンが宿屋に泊まって
いる場面がありましたが、あれって相部屋
だったのでしょうか? ベッドにはティナの
寝ている形跡しかなかったみたいですし、
相部屋だったとしてもベッドは別々っぽい
感じです。という事は、この2人の関係は
第1話の時より距離ができている、と考えて
良いのかな。やはりリタとティナの関係は
邪魔しちゃいけない、と誰もが考えている?
 こういう状況を見ていてちょっと気に
なったのが、公式サイトのブログにある、
リタ役の高橋美佳子さんのコメントでした。
このコメントによると、今回の柱になるのは
「恋愛と死神蜂の男と戦争」との事です。
が、この「恋愛」というのが何を意味する
のか、、、。今回のストーリーの感じでは、
ティナはジンについて「頼りにならない」と
考えているようです(まあ腕力はなくても
ハッタリをかまして相手の核心に迫る、といった
商売柄らしいスキルはあるみたいですけれど)。
またガラハドはジャミルへの思いが深い
ようで、すぐに他の恋愛を求めるような
状況にはならないのかも。ガラハドを本当に
必要とする人は、例えば第11話に出てきた、
ロンダー国の山の中の小屋に母親と一緒に
住んでいるリオとか(そう言えばティナ達が
最初に目指すのはロンダー国っぽいですね)?
、、、といったような状態で、男女間の恋愛の
可能性は限られるように思えます。となると
百合な恋愛が? どうなるんでしょうね。
 後は、サンガトラスの様子は今回登場
しませんでしたが、グリーダムの王妃は
今の状況をどう思っているのでしょう。
彼女は甥に当たるゲルニアが命を落とし、
兄弟であるランバノフ王が落胆している
事も知っているのですよね。ゲルニアが
罪を犯していたのはわかっているみたい
ですから冷静に受け止めてはいると思い
ますが、今後何か政治に影響を与えるような
行動に出るのかどうかは気になります。
またグリーダムの王子が今回顔を見せていた
のも、後になって関係してくる、とか?
(、、、ゲルニアは何人もの女性の命を奪い、
ダストラストの街には自分を売る女達が
いて、ティナ(それとたぶんリオも)の
ように戦争の犠牲になる女性も、、、。
彼女達のような被害者が少なくなるように
世の中が変わっていくと良いかもです。
そして百合的にも発展してもらえれば。)
 それとちょっと印象的だったのは、
ゲルニアの見舞いに来たリタ、、、。
話している間に話題はいつの間にかティナの
事になって。聞いていると何だかのろけが
入っているような気がして面白かったです。

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