ウエルベールの物語 第１５話

　男女４人（だけじゃないですけど）が一緒に
旅をすれば、どうしてもこういう展開になって
しまう？　百合的にはちょっと危ない方向性
ですね、、、何とかリタとティナにはまとまって
もらいたい所です。

　テレビアニメ「ウエルベールの物語 第二幕」、
第１５話「疵跡の章」です。
　ティナ達が手に入れた情報によると、３人
いる「死神蜂の男」の内１人目は、ティビニア
国境にあるルクスという街にいるという。
そこへの近道として、レガールを抜けるルートを
提案するガラハド。しかし街の名前を聞いたとたん、
ジンがガラハドに殴りかかってきた。

　前半の展開はなかなか良かったですね、、、。
懐かしいはずの故郷はいまだに荒れ果てたままで、
１０年前の恐ろしい記憶がまるで目の前の現実に
よみがえったよう。当時の光景をまざまざと
思い出したティナは愕然としてしまいます。さて
そこで彼女の所へ駆け寄るのは誰かというと、、、
リタでした。やはり彼女を悲しみの淵から救い出せる
のはリタしかいないですよね。
　ティナの両親のお墓参りでは、なぜか周りを
きょろきょろしているリタ。何かあるのかと
思ったら、お墓に供えるための花を探していたん
ですね。彼女にはティナの気持ちがよくわかって
いるらしく、ティナの苦しみを自分の事のように
感じているみたいです。また彼女の場合はそれだけ
でなく、ウエルベール国の王女なわけであり、
こんな悲しい戦争を二度と引き起こさないためには
どうしたら良いか、そんな事も考え始めているの
かもしれませんね。
　その思いからすると、復讐のために戦おうとする
ティナの姿は彼女を心配させてしまうようです。一応
ティナの実力については、一緒に危険をくぐり抜けて
きたわけですから、どれほどのものかリタはわかって
いると思います。が、それでも命を危険にさらす事に
なるのですし、どうしても不安な気持ちにはなって
しまうのでしょうね。
　それに対してティナは安心させる言葉をかけて
います。「どんなヤバい事でも切り抜けてきた」
、、、小さい頃に両親を亡くして、たぶん彼女は
１人でこの１０年を生き抜いてきたんでしょうね。
盗賊にまで身を落としても、両親の仇を討つためなら
どんな事にでも耐えられたでしょうし、何だって
やってきたのではないかと。
　彼女が何をしてきたのか、リタは知らされていない
ようです。信頼し合える仲になったのに知らない事が
あるなんて、とも思えますが、これはティナの一つの
優しさなのかもしれません。ティナの経験は、リタが
わざわざ知っておくほどのものではない、聞かずに
いた方がいい、それだけ「ヤバい」事だったのでしょう。
　互いに相手を心配し、気にかけているリタとティナ。
彼女達が語り合う姿には、割って入れないほどの
雰囲気があるようです。これは一緒に旅を始めた
他の全員が感じているらしく、つまり誰が見ても
この２人の絆は強いと言えそうです。
　、、、なのに、後半になるとちょっと雲行きが
怪しく、、、。思い出してみると、前半でティナは、
リタの事をしきりに「親友」と言ってましたし、
ジンの事を何度となく「頼りない」と言ってました。
ここまで強調するのは、裏に込められた意味が
あるという事なのでしょうか、、、。でも第一幕で
ジンと合流した後、ついこの前の第１４話まで、
ティナはそんなそぶりは見せていなかったですよね。
このまま彼女はジンの方を向いてしまう？
リタはリタで、こちらも急にガラハドを見る目が
変わってますし。それにガラハドも、ジャミルへの
思いを残しつつ、自分は今フリーだとアピってる
感じが、、、。
　まあこれも一つのエピソードとして、リタとティナの
つながりを深める結果になってくれるのではと期待
したいです。何しろこの物語の英語タイトルは
「Sisters of Wellber」、２人の女性が主人公なの
ですから。

　ところで今回ちょっと面白かったのは、傭兵に
身分を明かすリタ、、、。額の印を見せる様子は、
まるで印籠を見せる副将軍みたいな感じがしました。
これからは、ティナの「峰打ちショット」と同じ
ぐらいの感覚で、リタのこの技が冴える場面が
出てくる？

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