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2007年12月23日 (日)

BLUE DROP~天使達の戯曲~ 第11話

 シフト機能を操る萩乃の本当の姿は、マリ以外
には見えていないため、海鳳の生徒達にとっては
存在しないのと同じ事みたいです。
 でも着実に、異星人達は地球人に近づいてきている
ようです。みち子達が事実に気づくのはそう遠くない
未来なのでしょうね。

 テレビアニメ「BLUE DROP~天使達の戯曲~」、
第11話「Thoroughwort」です。
 両親の命を奪った5年前の大災害の原因が
何だったのか、知らされたマリ。ツバエルは
懸命に萩乃を弁護するが、茫然自失となった
彼女の耳にその声は届かない。
 そして萩乃も、自分を責めさいなみ涙に暮れる
ばかりだった。

 それにしても男性キャラがどんどん喋らなく
なってきてますね。深町学園長は姿を見せて
いないので話しようもない感じですけど、玄さん
とかはその場にいるのにせりふがないという、、、。
やはり「少女達」の戯曲には大人、男は入り込む
余地がないという事なのかも。でもここまで
出番を抑えられていて、最後だけ現れておいしい
所を持っていってしまうのも避けてもらいたい
ような、、、。登場場面の配分って難しそう。

 演劇の稽古をしている辺りの演出はいろいろ
想像させられるものがありますね。、、、戯曲の
せりふを追っていくごとに、マリの胸には響いて
くるものがあったのかもしれません。今まで
目の前にいて(というか同じ部屋に住んでいて)、
言い争ったり笑い合ったりしてきた女の子が
不意にいなくなってしまうと、自分の生活の
一部が消えてしまったみたいで落ち着かなく
なってしまうのでしょう。
 それどころか、相手は実は、自分の両親が
巻き込まれた事故を起こした張本人だと言われて
、、、。でも会えない限りは、相手が泣いて
すがって謝ってくるのを聞くこともできませんし、
自分の思いの丈をぶつけることもできません。
マリはとにかく不安定な状態で生活するしか
なかったようです。
 そこへ現れる萩乃。彼女は、どんな非難を
受けてもマリに伝えたい事があったようですが、
マリの反応は本人の予想とは少し違っていた
ようです。マリが裕子から事件当時の事を
幾つか聞かされていたから、というのもある
かもしれませんが、他の原因もちょっとあった
のかなとも思えます。
 マリには、5年より前の記憶がないそうです。
なので今の彼女が憶えている事といえば、まず
周りとの接触が最小限に抑えられていた祖母との
生活。この時の彼女が得たものはとても少なかった
かもしれませんが、誰にも嫌な思いをさせられない
穏やかな日々だったのでしょう。次に彼女が
経験したのは、海鳳学園と青海寮での集団生活。
自分の思い通りに行かず他の女生徒とぶつかる
事も多かったでしょうけれど、お互いに分かり合う
部分もたくさんありました。
 特に萩乃とは、一番最初の最悪な出会いから
始まって、お互いの存在を認め合うようになり、
やがては惹かれていくようにまで、、、。その
思い出の一つ一つは、他の誰かに仕向けられた
のではなく、自分自身の選択で積み重ねていった
ものでした。
 この事は、言葉だけで知らされた神隠島の事件や、
その前にあったけれど憶えていない両親との日々よりも、
彼女にとってはずっと鮮明で現実的な記憶なのでは
ないでしょうか。その記憶の中心にいる萩乃に
対して、マリがどんな気持ちを抱く事になるのか
というと、実はそんなに悲観的な結果が下される
わけではない感じもします。
 これでマリに事件以前の記憶があったりすると、
とてもここまですんなりとは行かないのではとも思えて
きます、、、。なので今の状況は、マリの記憶喪失が
逆手に取られたような気がしないでもないのですが
、、、もちろん萩乃に悪意はなかったはずですから、
ここで2人の仲がこじれなかったらしいのは救い
だったかもしれません。(マリも、萩乃が誠実な
人間(異星人?)であるというのを、直感的に
わかっていたのかも。)
 それに萩乃は、侵略の対象であるはずの地球人に
理解を示していますよね。もし問題がマリと萩乃の
間だけのものだったなら、彼女達は親愛の情を
順調に育てていけたのでしょう。、、、けれど
実際には、様々な思惑が重なって、、、。2人が
晴れて結ばれる日は来るのでしょうか。
(てか萩乃が「必ず帰ってくる」とか言ってましたね。
キーワード的に考えると2人が会えなくなる可能性が
高そう、、、。)

 その他今回気になったのは、演劇、でしょうか。
この戯曲はジャンヌダルクを題材にしています
けど内容はみち子のオリジナルなんですよね。
という事は筋書きは自由に作れてしまうわけで、
妙にマリや萩乃の心情に合いすぎるのは、ちょっと
ずるいような気もします。まあ物語的に考えると、
それだけみち子のインスピレーションが鋭くて、
またマリ達の事をよく見ていた、という意味なの
かもしれません。
 もう一つはオノミルの登場、とか。もう
この世にいない人がすんなり現れて悩みを
解放してあげる、というのは、生きている側の
都合のいい解釈、想像にも見えてしまいます。
萩乃が自分を責めすぎるのは何とかしてあげなきゃ
ですけれど、その役目は彼女の周囲にいる人、
例えばツバエルとかがやってあげても良かった
かもですね。
 、、、ですが、この作品にはまた別のキーワードが
ありましたね。エミルフォースとか、思念凝結兵器
とか、、、。原作などで出てきている、アルメの
生み出したテクノロジーです。人が考えたものを、
目の前に実在する物体へと変化させる力。この
「天使達の戯曲」でもその影が見え始めています。
ここからちょっと想像してしまうのは、オノミルの
姿は、萩乃の思念が凝結させたものなのでは、
という事だったりします。つまり萩乃は、自分が
作り出した映像に許しを求め、許され、武器管制
までさせていたのではないかと、、、。もし
そうだったらこんな悲痛な物語はないでしょう。
けれど、まあたぶん本当の所は、ブルーという
特殊な場の中で、オノミル本人の意志が形を
持ったのでしょうね。

 今まで潜伏していた異星人が隠れるのをやめ、
地球人の前に現れようとしています。この激しい
動きの中で、マリと萩乃はお互いの気持ちを
ちゃんとつかんで離さずにいる事ができるので
しょうか。そこに百合な愛が間違いなく存在する
のを願いたいです。

・「BLUE DROP」レビューリストレビューセンター

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