Yes!プリキュア5 第33話
確か以前に増子美香は、自分は一人だから、
みたいな事を言ってましたね。今回その言葉の
意味が語られます。彼女にも、のぞみ達のような、
信頼で結ばれた仲間ができると良さそうです。
テレビアニメ「Yes!プリキュア5」、第33話
「大スクープ!プリキュア5独占取材!」です。
学園内の新聞であるサンクルミエール通信に、
フットサル部の敗退が大きく報じられた。
キャプテンの引退すらほのめかす記事にりんは
猛反発。実はキャプテンが怪我のために思うように
動けなかったのだと知らされた編集長の増子美香は、
正確性を欠く記事を書いた自分を責める。
前半、美香を励まそうと集まってきたのぞみ達に、
彼女は「皆の気持ちは嬉しい。けど、、、」と
口ごもっていました。言いたい事を言わないなんて
いつもの彼女らしくない気がします(おタカさんが
話しかけても返事しませんでしたし)が、それほど
までに落ち込んでいたのでしょうね。直接の原因は
フットサル部の記事なのでしょう。でもそれに
加えて、彼女が学園で経験してきた過去も大きく
影響しているのではないかと。
彼女がスクープに必死に食らいついていく姿勢は、
自分が続けてきたもの、目指していたものを
失いたくない、という気持ちから来ているの
でしょうね。一人になってまでやってきたの
だから、もう自分はこのやり方で前に進む
しかないのだと。
けれどその姿勢が、正しい報道をする、という
新聞の大原則をいつの間にか曲げてしまっていた
ことに、美香は気づかされます。記者としての
自分のあり方を、彼女は知らず知らずの内に
見失ってしまっていたようです。
さらに彼女は、もっと大切なものを失っていた
事に気づいたのではないでしょうか。机の上から
床にこぼれ落ちたたくさんの写真、その一つ一つ
が映し出される場面があります。左から右へ
視点が動いていくのは、時間の流れを表している
のかな。最初の頃は、笑顔に溢れた美香と
新聞部の仲間達の姿が見られます。そんな
セルフポートレイトのような写真がだんだん
減っていき、やがて代わりに増えていったのは、
のぞみ達の姿でした。
美香達自身の写真が入っている所を見ると、
ここにあったのは、取材用の写真ではない
ですよね。日常の中で何気なく撮影していた
もののようです。そういった、自分の気持ちが
素直に表れそうな写真に写し出されていたのは
果たして、ふざけ合ったり笑ったり、とにかく
何人かの女の子達が一緒にいる構図でした。
美香はそれを大事に持っていました。、、、
彼女は、自分でも気づいていなかったのかも
しれませんが、「仲間」を求めていたのでは
ないでしょうか。自分の生活の中でいつの間にか
消えていった「友達」というものを。
半年前、カメラを抱えて1人で飛び回っていた
彼女は、ある日見かけたのぞみ達に興味を
持ちます。生徒会長とその親友、スポーツ万能
少女、入学したての新人アイドル、、、。
学園内で目立つ存在ではあっても、これまで
接点のなかった彼女達が、特に目立った特技も
持たない2年生の女の子を中心に一つに
集まっている。これは何かある、と彼女は
感じたに違いありません。
でもそれは単なるきっかけに過ぎなかった
のかもしれません。のぞみ達を追う内に、
美香は彼女達の楽しそうな表情に魅了されて
いったのではないでしょうか。今の自分の
身の回りにはないものを、ごく自然に持って
いた彼女達は、美香にはとてもまぶしく見えた
のではないかと思います。(こういう部分って
かれんとこまち、特にかれんが、のぞみ、りん、
うららに対して第6話辺りで抱いていた気持ちに
近いような気がします。)
そして美香は、のぞみ達の表情が、彼女達同士の
ふれあいから生まれていることに気づいた
みたいですね。一人で無理を繰り返すよりも、
仲間と喜びを分かち合う日々を自分も過ごしたい
と思うようになったようです。これで実際に
彼女の身辺が変わるのか、スクープ狙いばかりの
取材からは離れるようになるのかが気になります。
というか新しい仲間を募集するよりも、あの
3人ともう一度話し合う方がいいんじゃない
かなと思うのですが、どうでしょう。
といったわけで、今回の百合な雰囲気
というと、美香の過去にありそう、思ったり
します。
美香は最初、4人で新聞を作っていた
ようですね。彼女と一緒にいたのは、髪を
2つに分けた背の高い女の子、ショートヘアの
活発そうな女の子、背の低い栗毛の女の子。
それが、美香の強硬な取材方針に、ついて
行けなくなって、一人、また一人と彼女から
離れていきます。
で、最後まで美香と一緒にいたのは、
あの写真の演出からすると、すぐ隣にいて
顔を寄せていた栗毛の女の子みたいですね。
そう思って見てみると、、、子育てする
鳥の写真を4人で眺めている場面でも
美香とこの女の子は寄り添っていましたし、
床に散らばった写真などでも、彼女は
だいたい美香の隣にいたりツーショットに
なったりしていたようです。
他の回想場面から考えて、彼女は前面に出る
タイプの性格ではないみたいですね。
鳥の巣を撮影した時は(力が弱いとかなのか)
一歩引いた場所で心配そうに美香を見上げて
ましたし、テニス部の取材の時も機材や
メモ帳は持たずに後ろに控えていました。
新聞を作ることに関してはあまりスキルを
持っていないようにさえ見えるこの子。
でも美香には最後までつきあっていたの
ですよね。その胸には、新聞作りそのもの
よりも、美香に対する切ない思いが隠されて
いたのでは、と考えてしまいます、、、。
少なくとも彼女には是非よりを戻してもらって、
美香との百合な関係を繰り広げてもらいたい
ですね。(この3人の名前は何というのでしょう。)
その他、ちょっと面白かったのは、
ストーリーそのものとは関係ないのですが、
美香の決めぜりふ、「続けて読めば
『マスコミか』!」をりんに遮られた場面
でしょうか。彼女が「えー」とか言っているのが
笑えました。
後は、新聞に載っているのに誰も
プリキュアの事を取り上げようとしない
のにふてくされたのぞみが口走っていた
「プリティで、キュッキュッキュッキュア~」
とか。のぞみって「ふたりはプリキュア」を
知ってる? (それにしてもあれだけ
目立つ格好をした人達の記事なのに誰も
気にとめようとしないなんて、、、実は
あの町ではプリキュアは人気がないとか?)
なんて思っていたら、エンディング
曲が新しくなっていますね。何か聞いた
気がすると思ったら、「Splash Star」
でもエンディングとして使われていた曲の
アレンジバージョンなんですね。この曲は
踊りの振り付けなどもあるようですし、
小さなお友達には人気なのかも。けど
アニメの方は絵の動きが少ないような。
、、、間に合わなかった?
そして次回のサブタイトルは「ミルクを
守れ!白馬の騎士かれん」、、、。かれんと
ミルクも独立したエピソードが描かれる
ようになってしまいましたか、、、。
でもミルクにはのぞみという「親友」が
いますし(次回予告の音声でも、かれんより
のぞみの方があわてふためいていました)、
かれんとミルク、のぞみとミルク、それぞれの
関係がはっきりしてくるのではないでしょうか。
とにかく百合でお願いします、、、。
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