エル・カザド 第２３話

　自分でも知らない内に、相手を傷つけて
しまった。自分はあまりにも不器用で、
いつ同じ過ちを繰り返すかわからない。
だったらいっその事、、、。彼女にとっては
考え抜いた末の決断だったのでしょう。

　テレビアニメ「エル・カザド」第２３話、
「惑う女」です。
　暴走してしまったエリスの魔女としての力。
そのために危険に陥ったブルーアイズを助けよう
として、ナディは怪我を負ってしまう。
　その後我に返ったエリスは事実を知らされ、
自分の持つ力と、そして自分自身を責める
のだった。

　前半、ブルーアイズが「魔女」についての
自分の思いを語っていました。組織から命令
された、という事以外にも、自分が求めていた
ものがあったみたいですね。その２つが同じ
だった頃は問題なかったのでしょうけれど、
少しでも食い違いが見えてくると、彼女にとって
組織は居づらい場所になってしまったの
でしょう。そのために彼女は自由になろうと
（「羽ばたく」ことをしようと）考えたようですが、
ナディに言わせれば、ブルーアイズの期待する
自由は、本当の自由とは違う、らしいです。
　でもこの時のナディって、知ったような
口の利き方というか、自分ばかりが不幸だと
言いたげな感じですね。あまり良くない考え方
かなと思っていたら、後できちんと謝って
いました。こういうのがナディのいい所なの
でしょうね。ブルーアイズも納得してましたし、
リカルドもわかっていたようです。特に
リカルドは、２人に対して祝福の言葉とも
言えそうなものを贈っていましたね。本人達の
外からすれば、ナディとエリスはやはり
そういう風に見えるようです。

　その他では、LA、でしょうか。前回までで
かなり落ち込んでいたっぽい所へ、追い打ちを
かけるようなエリスとのやり取り（いったん
持ち上げといて、みたいな）、、、。まあこれまで
LAがエリスに対してしてきた仕打ちを考えれば
ある程度は仕方のない事なのかもしれません。
ほとんど再起不能になってしまったかのような
この人ですが、この世界で生きて行くには何が
必要で、何をしてはいけないかを学ぶ機会でも
あったのではないでしょうか。倒れたまま終わり、
というわけでもないでしょうし、この後の
現れ方がどうなるのかは気になります。
　そしてこの経験で、エリスも一つわかった事が
あるのでしょう。自分が誰と一緒にいるべき
なのか、、、。その人と何を目指すべきなのかも
感じ取ることができたのではないでしょうか。
けれど、、、。

　気づいた時には、もうどうしようもなくなって
いた。人を傷つけてしまった、しかもその人は
自分にとってかけがえのない相手だった、、、。
たとえ魔女の力で傷口をふさぐことができた
としても、それぐらいで許されるわけがない。
というかエリスは、自分でも自分の事が許せなかった
のでしょうね。それで考えた末に、彼女はナディに
背を向けて、あのせりふを言ったのでしょう。
自分が寂しくても、相手のためにはこうする
しかない、と。
　でもエリスには、一つ理解していなかった事が
ありました。それはナディの本当の気持ちです。
ナディがエリスの事をどう思っているのか、
一緒に何をしようと考えているのか、いえ、
その前に２人でずっと一緒にいてもいいと
思っているのかどうか。もしかしたら、これまでの
ナディとのやり取りの中で、エリスはこういった
事を意識はしていたのかもしれません。けれど
ナディ自身が、傷ついてまでエリスと一緒に
いてくれるのか、については、確信も自信も
なかったのではないかと思います。
　これについては、ナディがエリスに今まで
気の利いた事を言ってあげられなかったのも
影響していそうです。エリスが安心できる事を、
ナディがきちんと言葉で伝えてあげないと、
相手はどうしても不安になってしまうのでは
ないかと。（でもこれって意外に難しかったり
するんですよね。女の子同士だからといって
怠けてると余計に、、、。）
　今回はそこがクリアになったので、２人に
したら大進歩、なのでしょうか。ここから先は
間違えずに進んでいってもらいたいですね。
大詰めまでもう少しみたいですし、百合的にも
盛り上がってもらえれば良さそうです。