チャンピオンREDいちご Vol.3

　雑誌全体の百合含有率や百合度は、前号Vol.2と
だいたい同じような感じでしょうか。その中で
「ペンギン娘」はチャンピオン本誌よりも度合いが
上がっている気がします。

　発行秋田書店、隔月刊になっているチャンピオン
REDいちごのVol.3を見てみました。
　コンセプトとしては「オール読み切り」、「１５歳
以下ヒロイン満載」となっています。とはいえ
すべての作品が毎号入れ替わるわけではなく、
同じ登場人物で１話完結のエピソードを続けて
描く作品もあります。その他特徴としては、
全体的には色っぽさが強調されているストーリーが
多いですね。
　さてそんな中、百合はというと、前号と
同じような雰囲気でしょうか。それよりもどちらか
というとTS的な、「男の子が女の子になって
しまった」とか「男の子が女の子の格好してます」
みたいなものが多いかもしれません。これは、
女の子同士という男の子にとって不思議な世界を
描きつつ、メインの読者と思われる男の子の心情を
盛り込むための対策、だったりするのでしょうか
（というか流行とかなのかな）。
　次号から後もこういう感じで進みそうな予感
ですね。ペンギン娘が連続して載るかどうかは
ちょっとわからないです。他には、Vol.2の
「BLUE DROP～天使の悪戯～」に出ていた笠木先輩
のシリーズがその内始まるとか始まらないとか
いう噂がありますけど、こちらはどうなる
でしょうね。（ちなみにBLUE DROPは秋から
アニメが放送開始となる予定です。）

　では幾つかご紹介、、、。
（・作品名（作家名（敬称略）））

・ちいさいものくらぶ（むっちりむうにい）
　いつも甘えてくる姉の蘭（らん）をたしなめ
ながらも、つい言う事を聞いてしまう妹の鈴
（りん）。ある日鈴は蘭と同じ学校の１年生、
のぞ美と出会うのだが、なぜかすさまじい形相で
にらまれてしまう。
　蘭に迫ってくる女の子登場で、鈴の甘い生活が
ピンチ？　という展開ですね。今回も鈴の妄想が
炸裂してます。前回と違うのは、蘭の相手が
女の子であるとすでにわかっている所でしょうか。
なのでけっこう姉と自分との関係に照らし合わせて
見ちゃうかもしれませんね。

・猫神やおよろず（FLIPFLOPs）
　柚子（ゆず）が氏子仲間と旅行に出てしまい、
猫神の繭（まゆ）は一人きりになる。食事の手配は
頼んであるというのだが、台所で料理をしていた
のは、幼なじみで繭と同じ女の猫神、笹鳴（ささな）
だった。笹鳴は繭の許嫁でもあるのだ。
　この作品にも今回百合テイストが。笹鳴や
メイ子はその気満々で繭にアピールしてますが、
肝心の繭は論外みたいな態度を取ってますね。
まあ、勝手に自分の思いだけをぶつけてくる
２人に、彼女は呆れ気味なのかも。それと性別を
確認せずに婚約させた親達のいい加減さも
気に入らないのかもしれませんね。でも別に
婚約解消とかをしていないところを見ると、
実は親達も当人達も、この状況はそんなに
嫌いじゃないと考えているようにも思えて
きます。そういった中では、メイ子の気持ち
だけが空回りしてしまいそうですが、最後の
場面では、、、。今回のエピソードをきっかけに、
彼女も本腰を入れてくる？

・ペンギン娘 ちょびっとH（高橋てつや）
　ペンギンこと南極さくらの家のプライベート
ビーチ「南極湘南海岸」にやって来た一行。しかし
ペンギンには一つの決意があった。それは、
今回の旅行で友達の択捉鯨と「もっと仲良し」に
なることだった。
　チャンピオンからいちごに来たことで、
かなり肌の露出度が上がってるようです。
ペンギンや鯨の脱ぎっぷりが潔いというか。
でもサービス(?)しているのがこの２人ぐらい
なのは、何か歯止めがかかっていたりする
のでしょうか。
　まあそれはそれとして、百合的にはどう
でしょうか。ボディタッチをしたり、自分を
積極的にアピールしたり、何かと鯨に迫って
いるペンギン。でも鯨は、いつものペンギンの
ノリ、ぐらいにしか思っていないみたい
ですね。ペンギンのやり方はどんどん
エスカレートして鯨も巻き込まれてしまい
ますが、周囲にはペンギンの考えはかなり
ばればれみたいで。冷静になっている白熊達と、
ヒートアップするペンギン＆鯨という構図は、
バカップルを見守るその他の人達、みたいな
感じがあって面白いかもです。
　鯨と「仲良く」なる、そのためにペンギンが
恥じらいを捨てて（最初から捨ててる？）
アタックする姿は意外とけなげなのでは
ないでしょうか。ペンギンが、鯨とどういう
タイプの「仲良し」になりたかったのかは
最後のコマに書いてありますが、こういう
所からも百合っぽさが出ているように
思います。
　ところで今回のエピソード、さすがに
チャンピオンの方の単行本には載らない
のでしょうね、、、。そうなると、しばらくは
このVol.3で見られるだけ、という事なのかな？