sola 第13話
男の姿をしたものは立ち去り、彼女は呪縛から
解き放たれました。どこまでも青い空とともに彼女の
前に現れたのは、少女達に囲まれた、穏やかな世界。
ここで彼女はもう一度やり直そうとしているようです。
でも最後の場面、、、。彼女にとっての何かが、また
始まるのでしょうか。
テレビアニメ「sola」、第13話「ソラ」です。
蒼乃を人間に戻す。そのために、茉莉は夜禍(やか)
としての自分の命を剣に移し、彼女を貫こうとする。
しかし現実に背を向け作られた依人との生活に執着する
蒼乃は、茉莉に逆襲の刃を向ける。彼女達の戦いは
熾烈を極めた。
最初の方の話数で、繭子や蒼乃が夜禍になった辺りの
エピソードを見ていてちょっと不思議に思った事が
あります。それは、茉莉はどうして2人を夜禍に
したのか、です。
蒼乃については第12話周辺でいきさつが語られて
いましたけれど、繭子はどうなんでしょうね。生粋の夜禍の
力を使えば家族全員を夜禍としてよみがえらせる事
ぐらい簡単にできそうな気もするのですけど、なぜ
繭子だけが選ばれたのでしょう。彼女がひとりぼっちに
なる事ぐらい、茉莉にはわかっていたはずなのに。
また彼女は、蒼乃に対しても干渉しようとします。
依人のいない世界で夜禍として永遠に生きながらえ
なければならない苦痛を与えられた蒼乃。彼女は
自分の精神のバランスを取り戻すために彼女なりの
解決策を懸命に探し求め、ついに見つけました。
たとえ偽物の平穏でもかまわない、他人に迷惑を
かけることもなくひっそりと暮らせれば、と彼女は
考えたのでしょう。
でも茉莉は再び蒼乃の前に姿を現しました。茉莉が
した事といえば、何も知らない依人に接触して自分達の
戦いに巻き込み、蒼乃を「元に戻す」と言って、
夜禍としての生をようやく受け入れようとしていた
蒼乃の目の前から、依人だけでなく茉莉自身を
消し去ってしまいます。
果たしてそれが、蒼乃を「元に戻す」ことになった
のでしょうか。一緒に暮らしていた弟はもういない、
生け贄の洞窟の中で出会い大切な友達になった少女も
彼女の前から去りました。自分が生まれ育ったのとは
全く違う時代で、知り合いになった人、かけがえのない
思いを分け合えた人の記憶から自分という存在が
ことごとく消し去られ、、、。これでは元に戻ったとは
とても言えないような気がします。
今回までの物語で、主人公は蒼乃だとも考えられそう
です。が、彼女の身の上は、やはり最初の予定通りに
生け贄として茉莉に捧げられ、茉莉の思い通りにされる
定めにあった、と言えそうな気がしてきます。
その後すべてを失った蒼乃は、1年という時間をかけて
やっと、人間として再スタートを切ろうという決心が付いた
ようです。懐かしい街へ舞い戻り、自分との大切な思い出を
失った人達と、もう一度最初からふれあいを始めようと
考えたみたいですね。その時点で彼女には何もなかった
としても、これから、明るい明日が青い空の下に広がって
いるのでしょう。
ところが、、、。蒼乃とこよりがコーヒー(!)を買っていた
自販機のそばのあずまやに気配が。ここに来てもなお、
あの人は蒼乃に干渉しようとするのでしょうか。
蒼乃にとってまた悩みの日々が始まるのかもしれません。
この作品、キャラクター設定や人物配置から考えて、
また順当に(?)男の子がモテモテになって終わるのかなと
思っていたのですがそうでもなかったようです。
やはりそういう展開だけではなくいろいろな方向性を
考えている、という事なのでしょうか(こういうタイプの(?)
作品は個人的にあまり見ていないので事情がよく
わからなかったり、、、)。
これまでの傾向だと、今回の後半での蒼乃の位置づけは、
男の子が担当することが多いのでは、という気がします
(妹系キャラと一緒に遊んでうち解けたり、同級生キャラと
話が合って手までつないでもらったり、とか)。それを
人間の美少女、蒼乃が担当する、という所がこれまでの
作品とは違うのかもですね。
で、それが何か新しい感動を呼び起こしているかというと
、、、あまりそうでもない感じだったりします。新しい
恋愛が展開されているわけでもなさそうですし。
ファミレスで真名、紗絵、塔子、ちさとが話している
場面も、まったり感が出ていました。男のいない世界だと
女達はこんな事をしている、と言いたかった? まあ
何をするかはメンバーにもよるのでしょうけれど。
男の子とかわいい女の子達のふれあう描写を楽しみたい
人達にとってこの作品がどういう風に見られるのかは
よくわかりません、、、。が、百合的には、設定はされて
いたのかもしれませんがあまりはっきり伝わって
こなかったような気がします。
さてその百合は、、、。一応第4話辺りが代表でしょうか
(この回については以前の記事に少し書きました)。
蒼乃とこよりは期待できる組み合わせ(声的にも、、、?)
なのでは。
その他では、この回までで何となく感じさせられた
のは、茉莉と蒼乃の関係も実は愛情に絡んでいたのでは、
という事です。、、、最初に茉莉に出会ったのは蒼乃、
最初に食べ物を分けてあげて、最初に笑うことを教えて。
最初に空を見せてあげようと思ったのも、もしかしたら
蒼乃だったのかもしれません。茉莉が知らない空の青、
「ソラの蒼」を、、、。
今まで何者でもなかった自分にそこまでしてくれる
蒼乃に、茉莉は惹かれていったのでしょうか。でも蒼乃
には、自分とは違う大切な、人間の家族がいました。
その後起きた事は、、、。蒼乃は家族と死別。彼女自身は
茉莉と同じ種族である夜禍に仕立て上げられます。
その後(理由はわかりませんが)茉莉と離れて自分の
家族をよみがえらせようとする蒼乃の前に、茉莉は
再び現れて、家族の幻影から引き離そうとします。
最後には茉莉の命は蒼乃の中へ、、、。まあたまたま
なのでしょうけれど、見方によっては茉莉の濃い感情が
激しい展開を巻き起こしているようにも感じられます。
そう思って最後の場面を見ると、、、まだ何か続きが
ありそうな気がしてきます。
でも第4話のエピソードを見ている側としては、
蒼乃とこよりの誠実なおつきあいをもっと見てみたい
ですね。第11話で、蒼乃と離れたくないこよりは、
自分なりのせいいっぱいのやり方で蒼乃を引き留め
ようとします。そのつたなさ、一生懸命さは、蒼乃に
とっても胸に迫るものがあったのではないでしょうか。
そして今回、彼女が真っ先に会いに行ったのは、
こよりでした。自分についての記憶をなくしても、
折り紙の事は憶えてくれていたこよりの所へ(ちなみに
全然関係ないですけど、
こよりはなぜ真名の事を
「真名さん」と言うのでしょうね。
今回1回だけ
「お姉ちゃん」と呼んでましたがすぐに
修正してましたし。
何かある?)。初対面で名前も知らないはずなのに、
蒼乃とこよりはすぐに仲良くなります。2人の
間には、記憶よりももっと深い所でつながる部分が
あるのでしょうね。
この時の蒼乃の別れの挨拶は、「じゃあ、また」
でした。これきりにするつもりなんて全然なかった
のでしょう。
その宣言通りというか、彼女は真名のいる学校へ
転校してきます(年齢とか、サバ読んでませんよね?)。
真名とも知り合いになり、この姉妹とは早起きをして一緒に
外へ出かけるほどの仲になります。
こよりにできない事は蒼乃が手伝ってあげて、
これからもそんな風に助け合いながら、お互いの
相手を思う温かい気持ちを育てていってもらいたい
です。、、、夜の禍に気をつけながら。
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