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2007年6月 1日 (金)

百合姫Selection

 再収録されているものについては一応
全部見たことはあるのですが、それでも
こうやって改めて見てみるとやはり良い
ですね。「百合姉妹」の雰囲気を感じ
られるのではないでしょうか。

 発行一迅社、「百合姫Selection」を
見てみました。この本は、これまで
百合姉妹」に掲載された作品を集め、
さらに描き下ろし作品を追加した構成に
なっています。百合姉妹をあまり知らない
人には、今はもう販売されていない号の
作品を読めるチャンスでしょうし、全号
持っている人でも描き下ろしを楽しめる
ようにしてあるのでしょう(ちなみに
私は全部持ってたりします、、、)。雑誌の
コピー「姉妹のようにピュアな関係」は
収録元雑誌を意識させているのでしょうか。
 では収録作品を簡単にご紹介、、、。

(・「作品名」
 作者名(敬称略)、収録元誌名)

・表紙
 影木栄貴
 同じセーラー服を着た2人の女の子が腕を
組んでいる構図ですね。別の記事にも
書きましたけれど、コミック百合姫Vol.8で
蔵王大志さんが描かれている表紙と同じ
モチーフになっています。
 潤んだ目つきが雰囲気出してるかも。

・「under the rose」
 紺野キタ、百合姉妹Vol.1
 母親が亡くなって身寄りを失い、両親とも
不在がちな桂の家で一緒に暮らすことに
なった葉月。2人は異母姉妹だった。
 オープニングのカラーページ、入浴シーン、
学校での2人の振る舞い、どれをとっても
雰囲気たっぷりですね。2人だけの関係を
どんどん築いていく葉月と桂は、お互いの
存在を知った瞬間から既に惹かれ合って
いたのかも。

・「いずこともなく」
 紺野キタ、百合姉妹Vol.2
 共学校から寮のある女子高へ編入してきた
三輪さんは、校内で同じ女の子と何度も目が
合ってしまう。彼女の名前は守谷さんといった。
 編入した慣れない女子校の中で経験する
不思議な雰囲気。それに対する好き嫌いは
人によって違うのでしょうけれど、三輪さんの
場合はどうだったのでしょうね。守谷さん
みたいなタイプが相手なら、、、?

・「昼下がりの…」
 紺野キタ、百合姉妹Vol.3
 クラスの違う三輪さんと守谷さんは、学校
ではほとんど話すことがない。でも寮の同室に
戻ると違う姿を見せることがある。
 親しくなっても相手を名字+さん付けで呼ぶ
辺りがまた、、、。守谷さんが三輪さんに惹かれる
ポイントも一応(?)わかって、2人の仲は確実な
ものになっていっている気がします。この後は
この2人と他の人達との関係、みたいなものを
知りたくなってしまいますが、それはちょっと
趣旨が違うかな?

・「24、25。」
 テクノサマタ、百合姉妹Vol.3
 中川佳乃子の手には、クラスメイトから
贈られた1枚だけのサイン帳がある。贈り主は、
出席番号1番違いの二ノ宮円だった。
 深い友達関係にまではならなかった2人。
でも何かお互いに感じるものがあったので
しょうね。だから円は勘違いをしたのかも。
一緒にもらったコピーを見た佳乃子も、相手が
自分と同じ思い出を大切にしてくれていた事を
嬉しく思ったのではないでしょうか。

・「星に願いを」
 日輪早夜、百合姉妹Vol.4
 小学生の頃から大の親友だった成実を
亡くしてしまった鳥子と美琴。泣くことも
できない2人は、高校の流星観測に参加する。
 3人で1組、いつまでも変わらずにいられる
と思っていたものが突然崩れ去ってしまったら、
涙を流すことさえできないのでしょうね。
そこから立ち直るのも、2人だけでなければ
ならない、、、。それを乗り切れるかどうかが
見所なのでは。

・「ふたり」
 速瀬羽柴、百合姉妹Vol.2
 いつも自分の意見をはっきり言えない高橋唯の
クラスに転校生がやって来た。彼女、神谷里美は
転校が多く、誰とも親しくするつもりはないと言う。
 意外と、唯以外の女の子達も外(この場合外国
ですが)に対する憧れを持っているみたいです。
でも唯は、ただ自由になることだけに憧れていた
わけではないようです。最後の方で、里美と一緒に
いる自分を見下ろしている過去の唯、みたいな
1コマがあって、印象的でした。
(速瀬さんは百合姉妹Vol.1冒頭のArt Gallery
にもイラストを描かれています。)

・「月夜の来訪者」
 椋本夏夜、百合姉妹Vol.4
 期末試験前夜、夢物語ばかりするせりなを、ゆきは
つい叱ってしまう。寮の部屋を飛び出したせりなを
探すゆきは廊下で、見知らぬ少女に出会った。
 ゆきは、明るくて屈託のないせりなに、たぶん
メロメロなんでしょうね。でも甘やかしすぎるのも
よくないとわかっていて、つい、みたいな。
謎の女の子が、屋根への出口で手招きをしている
コマは、何か幻想的な感じがしますね。それと、ゆきが
聞いた「あなたたちは」の言葉の意味、けっこう深い
ような気がします。

・「楽園の小鳥」
 さかざき咲羅、百合姉妹Vol.1
 緑に囲まれた片田舎の学校に通うマナとサエは、
小さい頃からいつも一緒にいた。夏休み直前の登校日、
帰り道に河原で涼むサエはマナに打ち明け話をする。
 豊かな自然に包まれているのに開放的な気分に
なれないのは、2人がいる環境では将来が決まり
切っていて、夢見ることすらできないからなので
しょうね。背景の自然の描き方からも、そういう
息苦しさみたいなものが伝わってきます。サエの
決心と、マナの思いのこれからが気になります。
(さかざきさんは百合姉妹Vol.3でも「Like a Flower」
という作品を描かれています。)

 ここからは描き下ろし作品になります。

・「ラブレター」
 乙ひより
 夕香は美和に恋心を寄せていたが、美和はサッカー
部員の三角に片思いをしていた。ある日夕香は、
美和から手紙を託される。
 夕香がサッカー部のマネージャーをやってるのも
実は髪を切ったのと同じ理由だったり、、、?だとすると
夕香、美和、三角の関係はかなり長いのかも
しれませんね。、、、単純だけれど純粋な気持ちで
いた頃に書いた手紙に込められているのは、どれも
真実。その内容を思い出した時にどう感じるかは、
本人次第なのでしょう。

・「星の向こうがわ」
 森島明子
 海外を転々とするフリーライターの澄は、
久しぶりに日本で友達の沙里菜を訪ねる。しかし
彼女は男に振られて落ち込んでいる最中だった。
 この作品は、コミック百合姫Vol.8に掲載された
「楽園の条件」より、少し前の物語ですね。澄と
沙里菜がどうやって今の関係を築いたかが語られて
います。澄にしてみれば5年も前に片を付けた
はずの気持ちなのでしょうけど、沙里菜にとっては
、、、。彼女の表情が語る気持ちの揺らぎに注目、
かもです。
(森島さんは百合姉妹Vol.2にも「天使たちの羽音
(はね)」という作品を描かれています。)

・「アップル・デイ・ドリーム~番外編~」
 城之内寧々
 アパレルブランド、アップル・デイ・ドリームの
路面店で働く桜丘由真の所へ入り浸る一ノ宮薫。
2人の出会いは去年の春だった。
 コミック百合姫本誌でも連載されているこの作品、
2人のヒロインのなれそめ(?)が語られています。
由真は初対面の人にはかわいいキャラで接している
みたいですけど、薫の「体質」の前ではそれどころ
ではなくなってしまっているようです。今回の
5本目「男じゃん」の2コマ目辺りで、作戦を
変えようと思ったのかも。

・「彼女の猫は夢の番人」
 袴田めら
 光は、つきあっていた女の子に別れを告げられた
現場を高橋さんに見られてしまう。これまで交際した
女の子達の事を思い出す内、光の胸は何故か痛んだ。
 黒髪ロングで色白のキャラは私的にもツボ、、、って
そういう事じゃないですね、、、。光の女遍歴は
かなりのものみたいですけど、抱き合っている時は、
彼女達も、光も、高橋さんだって本気になっていた
のではないかと思います(皆頬を赤くして顔に汗を
かいてますし)。その中で違いがあるとすれば、、、
という所なのでしょうね。

・「南波と海鈴」
 南方純
 万年金穴の三波は、バイト代の高さに引かれて
るなと一緒に働くことに。バイト先の海鈴の家では、
るなのペースで物事が運んでいく。
 るなの着替え、三波、南波、海鈴のメイド服姿、
というのはやはりサービスショットだったり?
だんだん海鈴もるなの思うつぼにはまってきてる
感じですね。確かるなは、「メイドとご主人様の
身分違いの恋」みたいなものに憧れているとか
なんですよね。でもそれって、別に自分が当事者
じゃなくてもかまわないのかも?

・「ヴィターシーク」
 及川じんこ
 文化祭に向けてモデルを探していた服飾科の
ショウコは、ある日女神を見つける。だが彼女、
藤野先輩はモデルを引き受けないことで有名だった。
 先輩を見ているだけでどんどんデザインの
イメージが湧いてくるショウコ。先輩も、彼女が
持っている何かを感じ取ったから、ショウコの
申し出に従う気になったのでしょうね。2人の
関係は、デザイナーとモデル、ではあったの
でしょうけれど、それ以上は? 一歩踏み込んだ
所では、もしかしたら2人の間には微妙な
ギャップがあったのかも。

 、、、といった感じで、前半と後半ではちょっと
雰囲気が違っているかもしれませんが、どちらも
百合的に楽しめるものになっているのではないで
しょうか。
 前半のような、女子校、寄宿舎、秘密の想い、
みたいな感じも良いですねー。オーソドックス
なのかもしれませんけど、こういう雰囲気のある
作品をこれからも見てみたいです。(もちろん
今百合姫に掲載されているようなタイプも良い
です。)

 一応奥付には「百合姫Selection/SPRING 2007」
とありますが、これから第2弾が出る予定とか
あるのでしょうか。百合姉妹には素敵な作品が
たくさん載っているので、これをたくさんの人に
見てもらうチャンスがあるのは良い事なのかもしれ
ませんね。

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