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2007年6月26日 (火)

ウエルベールの物語 第11話

 ガラハドとジャミル、この2人の間に
言葉は意味を持たないようです。ともに
戦う時も、そして愛し合う時も。
 けれど2人の間に言葉がなかったからこそ、
相手との距離が大きくなってしまったとも
言えそうな気がします。

 テレビアニメ「ウエルベールの物語」、
第11話「慟哭の章」です。
 ゲルニアへの忠誠を打ち捨て、リタ達を
わざと逃してしまったガラハドは、山中へ
分け入り、ある村の家へと身を寄せていた。
 一方ジャミルはゲルニアのもとへと
呼び出され、開戦を前に白獅子、黒獅子
両連隊の指揮を執ることを言い渡される。

 、、、ということで、ガラハドとジャミルの
エピソードになります。
 まあリタとティナについては、前回ようやく
2人の間の絆を確かめることができたわけ
ですから、少しそっとしておいてあげたい
所かもですね。
 豊かな自然の中、輝く朝日を浴びて目覚める
リタとティナ。リタを公開処刑するとされていた
期日は過ぎてしまい、もういつサンガトラスから
戦争を仕掛けられてもおかしくはありません。
でも2人はあきらめたりしませんでした。
自分達ができる最善の方法をとろうと
話し合います。こういう場面で平静を失わずに
いられるのは、強い絆で結ばれた相手が、
いつもそばにいてくれるからなのでしょうね。
この先に待ち受けている苦難にも、2人で
手を取り合って立ち向かっていってもらいたい
です。
 今回の、ティナが相手を「リタ」と呼ぶ声は、
まだちょっと初々しい感じです。これから
相手を求めて呼び合う事が何度もあるでしょう
けれど、いつもこの時の気持ちを忘れないで
いて欲しいですね。
 とまあ2人だけの世界が展開していたのです
が、ここからの旅にはジンもちゃっかり同行する
みたいです。今になって仲間入りするのはちょっと
おいしすぎのような。しかもこの人、ティナとは
過去に肉体関係があったりするんですよね。旅の
最中に人肌が恋しくなったティナがつい
ふらふらとジンのベッドに(もしくはその逆)、
なんて事はないようにしてもらいたいかもです
、、、。でも、わざとそういうシチュエーションを
作っておいて、思わせぶりな事件があった後で、
やっぱりリタの方がいい、みたいな描き方も
ありかも(って考えすぎ、、、)?
 リタとティナについては、この後はもう2人の
仲が試されるようなつらい展開ばかりが待って
いそうな気もします、、、。そうならずに甘い
ふれあいをたくさん披露してもらいたい気持ちと、
2人には王女と(元)女盗賊という、女性としての
立場で判断してピンチを切り抜けていって
もらいたい気持ちがあったりします。
 戦争がどうなるかももちろん気にはなりますが、
この2人の結びつきがどういう形にまとまるのかが
とても気になりますね。

 、、、と、ついリタとティナの事になって
しまいました。
 ガラハドとジャミルは、武人としてお互いを
尊敬していたようですね。そして男と女としても
愛し合っていた。主君に仕え、敵を退ける同じ役目を
任されている2人は、言葉を交わさなくても
呼吸で分かり合える、そういう間柄だったのかも
しれません、戦う時も、愛し合う時も。
 でもある日から、2人の間に消えない秘密が、、、。
国家をあげて隠そうとする醜聞とあっては、
たとえ相手がガラハドであっても、ジャミルは
打ち明けることができなかったのでしょう。
、、、いえ、本当は、言葉に出さなくても気づいて
くれるのでは、と期待していたのかもしれません。
今までそうしてきたように、「2人の間に言葉は
いらない」と。もし秘密を隠し通せなかったとしたら、
それは軍人としての自分の落ち度ではありますが、
1人の恋人としては秘密を共有するという喜び
にもつながっていたのかも。
 けれどガラハドは、ジャミルが抱えてしまった
重荷に気づくことはありませんでした。それって、
2人がその程度の仲だった、という意味なので
しょうか? 、、、たぶんここには、ゲルニアの
存在が大きく関係しているような気がします。
 ゲルニアとガラハドは小さい頃から一緒に育ち
ました。その間ずっとガラハドはゲルニアを
尊敬していたようです。この経験が、ガラハドの
目を曇らせてしまったのかもしれません。自分が
慕ってきたゲルニアが殺人事件に関わっていた
などとは想像することもできなかったのでしょう。
 それにしてもゲルニアは、あんなに近くにいた
ガラハドに、自分の事をよく気づかれなかった
ですね、、、。前にもちょっと書いたかもしれません
が、ゲルニアはガラハドに対して何か思う所が
あって自分の事を隠していたりしたのでしょうか。
 今回はそのゲルニアの過去も少し登場します。
この人が変わっていった理由がちょっと見えて
きますね。特定の人間だけを狙うのもそういう事が
あったかららしく。(でもジャミルはそのタイプ
には該当しないような気がするのですけど、、、。
ゲルニアは、もうそんな事にこだわらないほどに
変わり果ててしまったのでしょうか。)でも
だからといって今している行動が許されるわけ
ではないですよね。今度は、軍人としての誇りの
ために恋人を手にかけてしまった慟哭の男の剣が、
ゲルニアを狙うことになるのでしょう。
 その男にはもう、失うものは何もありません。
自分の思いを果たすために、どんな事をしてでも
ゲルニアの前に立ちはだかるでしょう。
 復讐の鬼とは、こうして生まれるのかも
しれません。

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