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2007年5月 1日 (火)

ウエルベールの物語 第3話

 戦争を避ける方法を懸命に考えるリタ。
一緒に旅するティナも、自分がこれまで歩んできた
たった一つの人生の中で、戦争が生み出した
悲しみと怒りを身をもって知っているようです。
2人が通じ合える思いは、そういった所にも隠されて
いるのかもしれません。

 テレビアニメ「ウエルベールの物語」、第3話
「復讐の章」です。
 サンガトラスのある海路を避け、陸づたいに
移動して商業都市ヘーゲルに入ったリタとティナ。
ティナはそこで、自分が追っているのと同じ蜂の
入れ墨をした男が市長を狙っているという噂を
耳にする。

 リタは、ティナがグリーダムへ向かう理由を
聞いて、彼女の言う通りにしようと決めたようです。
そこには、戦争の被害者であるティナの心情を
思いやる気持ちがあったのでしょう。リタは、
戦争のせいで増えていくティナのような犠牲者の
思いに少しでも報いてあげたいと考えたのかも
しれません。
 ティナの方は、戦争はもちろん嫌だけれど、
それよりも自分の両親の仇を討つことが頭から
離れないのでしょうね。相手の噂を聞きつけると
もう黙ってはいられないようです。
 この2人の考え方にはやはりちょっと差がある
かもという気がします。リタの方が少し広い
物の見方をしているというか。
 国や民の事まで視野に入れているのは、さすがに
お姫様だけのことはあるのでしょう。けれど、
これではまだ2人の思いが重なっているとは
言いづらそう、、、。国の未来に胸を痛めるとか
親の仇を討つといった感情や意志が生まれてくる
「彼女達自身」とは何なのか、お互いをきちんと
理解してあげられるようになってもらいたいです。
 というのも、今回の物語では「復讐を遂げた人」が
どういう思いに襲われるかが描かれています。
なのでティナもいつかあんな風に感じるようになる
のかもという雰囲気を予感させられてしまいます
(本当にそうなるかどうかはわかりませんけれど)。
そうなった時に、例えばジンがすんなり現れて彼女を
慰めてあげるという図式もちょっと合わない気が
しますし、ここはやはりリタが彼女を理解してあげる
必要があるのではないかと。
 それに、「峰打ちショット」ではなく実弾を
使おうとするティナに警告できる人がいるとしたら、
それはリタだけのような気がします。もし実弾で
撃ってしまったら、ティナは「死神蜂の男」と
同じ程度の人間に成り下がってしまうでしょうから。

 ところで、なぜゾーイはイオナに秘密を託そうと
思ったのでしょうね。誰の事も信じられなくなって
しまって、自分の婚約者に頼るしかなかったので
しょうか。けれど、秘密の隠し場所を開くコツさえ
わからない純朴なイオナにとっては、この運命は
酷だったような気がします。しかも残された思いが
あんなだとなおさら、、、。彼女にも救いの手が
差し伸べられると良いですね。

 今回はリタとティナの行く末を暗示するような
エピソードでしたけど、この2人は最終的に
どうなっていくんでしょうね。オープニングアニメ
のように、王族として輝かしい道を歩むリタと、
それを道端から見上げるだけのティナ、そんな
関係になってしまうのでしょうか。気になる所です。

 気になるといえば、2人と一緒に旅をしている
ボルジュラックとシェリー。ボルジュラックは
第2話でも活躍していますので、今度はシェリーが
一働きしてくれるエピソードとか見てみたいですね。

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