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2007年2月11日 (日)

マリア様がみてる OVA第1巻

 互いを思いやって、「罠」から手を引くことも
考えた2人。でもそれぞれが思っていたほど、相手は
弱い人間ではなかったようです。
 どんな苦難も乗り切ることができる、そう感じ
られたのは、ひとりひとりが強かったからではなく、
2人が一緒にいることで強くなれるから、なのでは
ないでしょうか。

 リリースの始まっているOVA「マリア様がみてる」、
第1巻「子羊たちの休暇」です。
 結局遊園地デートがお預けになってしまった祐巳
でもその代わり、夏休みに祥子の別荘へ連れて行って
もらえることに。
 出発当日、うきうきしながら祥子とともに車に乗った
祐巳だったが、目的地への車中で不吉な夢を見る。
果たしてそれは正夢なのか、、、?

 、、、テレビ放送された第1第2シリーズは一応
見ていました。が、実は、「レイニーブルー」の辺り
(「~春~」の第11話第12話第13話ですね)
「だけ」見てなかったんです(録画はしましたけど)。
理由は「もったいないから」、、、(何それ>自分)。
そんなわけで今回OVAを見るに当たって、その部分も
まとめて見ました。ついでに第1シリーズからも、
ファースト・デート・トライアングル」などを見て
みました。まずはその周辺の事を。
 こうして3シリーズ並べて見ると、つい絵柄などに
目がいってしまいますね。第1、第2については、
テレビ放送とはいえ品質の高い絵造り、という印象だった
のですが、さすがにOVAはよりグレードアップしてる
感じです。線の入り方が細かくなって、止まっている
絵でも表情が豊かになっているような。またキャラの
動きも詳しく描かれていて、前にも書きましたけど
祐巳の髪の動き方とかがはんぱではないです。
 この状態で第2シリーズを振り返ると、微妙に
コマ数をかせいでいる場面など見受けられますね。
これは仕方のない所なのでしょう。
 その代わり、なのかどうかDVDに付いている映像特典
マリア様にはないしょ」ではデフォルメ祐巳達が
動き回っています。
 、、、でも個人的には、「監督(男)のかけ声とともに
祐巳達が『演技』をしている」という演出があまり
好みではなかったりします、、、。たぶんこういう映像に
なっているのは、女の子同士のおつきあい(しかも
親しい2人が「姉」、「妹」と呼び合う)という、
あまりメジャーでない(?)関係性を一般になじませよう
という意図だったのかもしれません。テレビ放送時も、
次回予告でのナレーションが少しコミカルになって
いたのは、本編での女の子同士の重い、しっとりとした
空気感をやわらげようとしていたのかも。(ちなみに
ファンディスク」でも新作のナレーション(シリアス
バージョンとギャグバージョン?)が作られていました
けど、こちらはノリみたいなものでしょうか(どちらの
バージョンも出来としては、、、だったので)。)
 OVA第1巻では、次回予告は比較的ふつうに作られて
いたような。時が経ち、「百合」というものについて
一般の認識ができてきて、あまり変換する必要が
なくなったからなのでしょうか。そうだとしたら、
「ないしょ」の方も百合っぽくしてもらいたいですね。
でもOVAだとこういう部分には力が入れられない?
第1巻のはちょっと手が抜かれてる感がありました、、、。
第2シリーズ第6巻の「ないしょ」で祐巳が「この次は、
モアベターよ!」と言っていたのは本編の方の事
だったのかも。
 まあ特典映像はそれとして、この第1巻では
メインの舞台が避暑地なこともあり、自然の風景や
その中で過ごす人々の振る舞い、そして祐巳と祥子の
ファッションなど見所が多いですね。

 「レイニーブルー」を乗り越え、お互いを
かけがえのない人だと確信した祐巳と祥子。それを
はっきり言葉に出し合い、相手も同じ気持ちでいる
ことを確かめました。
 今回は、固い絆で結ばれた2人に最初の試練が
訪れます。学園での「ロサ・キネンシス」の妹
という立場を離れた代わりに、「小笠原家のご息女」
の妹として周囲の目にさらされることになった
祐巳。「普通のお嬢様」である彼女が祥子と
手を取り合って困難に立ち向かい、自分達2人の
関係を周囲に認めさせることができるかどうかが
問われるのでしょう。
 勝手のわからない場所でもあるし、祐巳にとっては
不利な状況だったみたいですが、時代に左右
されない深い愛情が、彼女への救いになった
ようです。
 西園寺のひいおばあさまが、、、というのは
ちょっとできすぎていたかもしれませんが、
マリみての世界観はそういうものだったりする、
のかな。というのも、第1シリーズ第10話
いばらの森」に登場した春日せい子、第2
シリーズ第12話「青い傘」で登場した池上弓子
と、相手の彩子、そして今回のように、年配の
女性が百合的な心情をきちんと持ち続けている
描写が多いですよね。これは、百合な思いが
一時的な気の迷いなどではなく、いつになっても
持っていられるものなのだと示しているのでは。
せい子も弓子も、思い人とは何十年も離れて
暮らしていたわけですが、それでも相手を忘れなど
しなかった。彼女達の存在が、祐巳達のような
現在のリリアンの生徒達が抱える思いに、密かな
答えと祝福を与えているのかもしれません。
もっとも、祐巳達がそれに気づくのはもっと後に
なってからなのでしょう。

 それから今回祐巳は、祥子の妹であることの
責任のようなものを感じさせられたみたいです。
ただ好きだというだけでそばにいても、「他の誰かが
悲しい思いをする」ことがある、、、。この事に対する
覚悟みたいなものは持っているようですけれど、
責任の重さを思い知らされることが今後あったり
するのでしょうか。
 まあいずれにしても、2人が今の気持ちを持って
いればたいていの事件は片づけられるのでしょうね。

 そんな祐巳と祥子の甘い別荘生活も、今回の
名場面(?)なのかも。何だかんだ言いながらも
全編に渡って何かと密着しているような。
 これがたぶん「休暇」の意味なのでしょうね。
愛に満ちた2人だけの休暇。
 学園に戻れば再び事件の数々が彼女達を待ち
受ける。もちろんそれに対応できる英気は
養われたのでしょう。でもだからといって、
百合な描写はこれきりなんて事のないように
お願いしたいです。他の姉妹も含めて百合な
感情表現をもっと見せてもらいたいですね。

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コメント

今回は祐巳と祥子様の甘甘な描写を見るだけで
満足かな?
本当にこうしたとこをもっと見たいのですが・・・。

投稿: nobu | 2007年2月12日 (月) 22時20分

もっと見たいですよねー。
今回これだけ見せられてしまうと「この後はもうラブラブしてなくてもいいでしょ?」と
言われているみたいでちょっと不安になったりもしますけど、百合が
盛り上がっているこの頃、是非この作品でも祐巳&祥子をはじめ
ラブなカップルをたくさん見せてもらいたいですー。

投稿: ギンガム | 2007年2月16日 (金) 22時58分

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