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2006年8月18日 (金)

シムーン第19話

 、、、何かものすごくたくさん、メインでないキャラ達が
取り上げられてありがたかったかもです。ワポーリフの隣で
空を見上げるのんちゃんかおるくん、副院主様と語らう
キサラ、そしてシヴュラであり続けることをやめない
ヴューラアイちゃん。皆さん素敵です、、、。
 後は絶対領域通信ギャルズにちゃんとしたせりふが
あれば、、、などと思っている間に大きな事態が。

 テレビアニメ「シムーン」、第19話「シヴュラ」です。
 敵の空中補給基地の動向を探るため、ネヴィリル達は
メッシスへ拠点を移して偵察任務に就く。
 事情から任務をはずされたアーエルユンであったが、
それぞれに思う所のある彼女らは、宮守達の命令を無視し
大空へと飛び立つ。

 、、、一介の庭師の娘から身を立て、絶え間ない偏見に
さらされながらもシヴュラの座を獲得し、ついには
宮国最強のコールとたたえられるコール・テンペストに
名を連ねて、しかも黄金の巫女、シヴュラ・アウレア・
ネヴィリルのパルまでつとめた少女、「シヴュラ・マミーナ」。

 彼女を「その場所」まで向かわせた原動力は、目的は
何だったのでしょう。それまでの生活に嫌気がさしていた、、、
上昇志向があった、、、巫女も普通の人間だと証明したかった
、、、ロードレに会いたかった?
 本当の理由を他の誰もが知らなくても、ともかく彼女は
そこまでやって来ました。そして今までの自分の人生にはない
経験を数多くしたようです。
 そこへ来て、彼女が最初に持っていた自分の目的を果たせた
のかはわかりません。
 彼女にとってはそんな事はもうどうでもよくなってしまった
のかもしれません。
 戦いのさなかではあったけれど、それまでの自分には何も
なかったけれど、同じ年頃の、美しく高貴な少女達とふれあい、
時には仲違いをし、また時には笑い合い、友情を深め、、、
彼女は安らぎを得た、のでしょうか。
 でも他の巫女達とは違って、彼女のように家柄や身分といった
地盤を持っていない者にとっては、自分を保つことや目的を
持ち続けることをやめるのは、すべてを放り出してしまう
ことにもつながるような気がします。
 これはリ・マージョンに似ているようにも思えます。神の乗機が描く
軌跡の、あまりの美しさに目を奪われた瞬間、その後には
すべてを無にする破壊が待つばかり。マミーナは、自分の
目の前で繰り広げられる美しい物語に目を奪われ我を失ってしまった
のかもしれません。

 第13話のレビュー記事でマミーナのハングリー精神について
少し書きました。もしかしたらこの辺りから、あるいはもっと以前
第10話など)から、彼女は自分が本当に求めているものが、
それまで考えていたものとは違うと感じるようになっていた
のでしょうか。
 彼女と近い位置にいると思われていたアーエルも「特別な人
っぽくなってしまっている今、彼女には、背負ってきた過去と
彼女自身の立場から、宮国も巫女もそのあり方を変えてしまう
ような、新しい世界を切り開いていってもらいたかった気がします。

 っていうかマミーナ、「すぐ行く」「すぐ戻る」みたいな
せりふは、ホラー映画とかでは速攻危険な目に遭う合図
なんじゃないかと、、、。

 でも少し考えてみると、あそこからネヴィリルも嶺国の人達も
抱えてそこそこ逃げおおせることはできたような気もします。が、
彼女自身はそう言う行動には出ませんでした。それは、
うまい対策が思いつかなかったというよりは、自分にはもう
「地盤」がないのだと思い知らされたからなのかもという
気がします。
 今まで彼女は、高貴な、本物の(?)巫女達に対してある種の
劣等感を持っていたのかなという感じがします。自分は
生まれからしても、周りから畏れ敬われるような存在では
ないと。その気持ちをばねに、アーエルやネヴィリル達に
食らいついていったようにも思えます。
 しかし嶺国の巫女達に、ある言葉をかけられてしまいました。
それはもしかしたら待ち望んでいた言葉だったのかもしれません。
が同時に、これまで自分がしがみついてきたものを、なかった
ことにしてしまうようにも聞こえたのかもしれません。
 受け入れれば否定される(選べば可能性が消え去る)、、、
彼女はあの場、あの瞬間に選択を迫られ、自分なりの答えを
出した、ということなのでしょうか。見ている側が釈然と
するかどうかとは別に。

 それにしても森永理科さん、公式ブログ記事によると
その後あまりアフレコに参加されていないみたいですね。
確かに他のキャラクターを担当する場合は、声のイメージなども
ありそうですね。
(今回登場していた嶺国の巫女達の声を聞いていて
どうもエリーの事を思い出してしまいました、、、。)
 でも第17、18話で一言ずつしか残せなかった
アングラスよりは、実は良かったりするのでしょうか。

 ここまで書いていてちょっと思いました。何やらあまり
百合なレビューではない雰囲気ですね、、、。
 シムーンは「2006年を百合色に染め上げる」作品、
だったのでは? とも思うのですが、どうなのでしょうね。
 思い起こせばメガミマガジン9月号の連載漫画でも、
アーエルが「儀式」に対してあからさまな拒否反応を
示していたような、、、。あちらの漫画は読むのが
ちょっとつらくなってきてしまいました、、、。

 そういう事もあってか、今回はコール・テンペスト以外の
人々の活躍が胸に響いてきています。コール・ルボルが
解体されても踏みとどまって、飛行能力が絶対的に劣る
シミレたった2機だけで捜索活動を続けていたヴューラ達。
それから、コール・テンペストが戻るまで実質上コール不在
などのため練習どころではなかったはずのアルク・スプリーマで
留守を守っていたキサラ達練習生。そしてワウフの「漢」
ぶりは(第16話に続き)今回も完璧とはいきませんでしたが、
その心意気は十分他の人達にも伝わっていたことでしょう。

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マミーナは帰って来ません。でも、その心は? と思うのです。 マミーナは最後に「さようなら、シヴュラ・アウレア」と言っていましたが、 では、ロードレのことは? あの髪を、右側をばっさりと、おさげを切り落としたのは、ロードレアモンお嬢様と同じ行為で、その行為で、せめてもの形見を「ロードレ」に届けて欲しいという気持ちだったら、嬉しいのですが。 こればかりは脚本によりけりなので、なんともいえないのですが、残されたロードレアモンお嬢様にとって、少しでも何か救いがあればと願ってやみません。 ... [続きを読む]

受信: 2006年8月18日 (金) 07時17分

» レビュー・評価:Simoun シムーン/第19話 シヴュラ [ANIMA-LIGHT:アニメ・マンガ・ライトノベルのレビュー検索エンジン]
品質評価 37 / 萌え評価 7 / 燃え評価 3 / ギャグ評価 1 / シリアス評価 100 / お色気評価 17 / 総合評価 28レビュー数 51 件 礁国空中母艦の偵察任務の為メッシスへと向かったコール・テンペストだったが、なぜかアーエルとユンは出動を禁じられる。残る仲間は二手に分かれて偵察をはじめるが、ネヴィリル・マミーナ、アルティ・フロエは敵国が奪った古代シムーンに遭遇、意図せぬ攻撃に巻き込まれてしまい……。 ... [続きを読む]

受信: 2007年9月26日 (水) 18時43分

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