貧乏姉妹物語 第3集
第2集からの流れで、姉妹が離ればなれに? という
展開が中心になります。が、その他の部分では越後屋姉妹が
けっこう活躍してますね。銀子の、強がってはいるけれど
山田姉妹を頼りにしている(特にお姉様との事では)様子が
うかがえます。
小学館サンデーGXに連載中の、かずといずみさん作
「貧乏姉妹物語」第3集です。
今回は、描き下ろしを含めて冒頭4本連続で金銀姉妹
メインのエピソードになっていました。銀子は1ページ目から
かわいらしい服装で登場してましたね。これがあすだと、
なかなかこういう服を着せてもらう機会がないでしょうし、
その点では銀子は恵まれているのかもしれません。
それに対して金子はスク水? これはサービスショット
だったりするのでしょうか、きょうが落ち込んでしまう
ほどに、、、。
と、そんな生活の中にも、ちょっとした気持ちの動きが
見えてきます。マンションを追い出されて山田家に
転がり込んできた銀子の悩みが、自分の思いと重なって
しまうあす。一番たくさん愛情を注いでもらっている
相手が突然心変わりをしてしまったら、当人にとっては
とても耐えられない悲しみなのではないでしょうか。
特に小学3年生では、何をどうしたら良いかわからなく
なってしまうのではないかと。
それに、少し前(第2集その26「2人の約束」)に
あすはこの事を考えさせられていたみたいですから、
全然他人事ではなかったのでしょうね。
今回のエピソード(その28)では、金子はちょっと
やりすぎてしまったのかもしれません。でも彼女自身、
その事は後で十分思い知らされたのではと思います。
金子と銀子の二人は、こういう事を経験することで、
ゆっくりと姉妹の間の愛情を育てていくのでしょう。
一方のきょうの気持ちもかいま見えます。その31
「戻らない時間」で、母親の妹に当たる叔母の高島未来
から、自分達の意見を尊重してもらえると聞いて喜ぶ
きょう。
先生や隣人、近所の人達にも打ち明けることなく、
もちろん妹の前でなんか顔にも出しませんが、彼女には、
小さな妹と二人で暮らしていくことの不安が少なからず
あったのではと思います。姉としていつも妹の手を
引いていたきょう。彼女にとっては、頼りにできる親類、
叔母が見つかったことは、とても大きな事だったのかも
しれません。それが、未来の事をあすに話す時の
嬉しそうな笑顔に表れていたような気がします。
(もっとも、きょう自身はこの不安に自分で気づいていない
可能性もありますね。)
二人きりで生きていく上では悩ましい事も多くある
かもしれませんが、うまくお互いを支え合っていけたら
良いですね。
、、、と、1冊の中のほんの2コマを元に考えた事を
長々と書いてしまいました、、、。それだけ見所が多い
ということで、、、。
もちろんその他叔母の未来、大叔母のトキが出てくる
エピソードもメインとして見逃せません。彼女達と、きょう、あす、
そして母親の佳子それぞれの思いが伝わってくる物語に
なっています。きょうとあすについては、一緒にいる
べきか、それとも離れて暮らした方が良いのか、改めて
考えさせられることになったようですね。
この一連のエピソードで微笑ましかったのは、未来に
質問されて、自分だったらどんな建物が作りたいか答える
あす、でしょうか。きょうもあすも、今は日々を生きていく
ことを考えるので精一杯なのでしょうけど、いつか将来への
夢をたくさん持てるようになると良いですね(それはまた別の
物語となりそうな気がします)。叔母はまさに名前の通り
「未来」を二人に運んできてくれているのかもしれません。
それから、本編とは直接関係ありませんが、随所に
見られる「百合」(花などの方です、、、)を忘れては
ならないでしょう。
お墓のお供えの花、越後屋ゴールドカードのデザイン、
未来の家がある地名、、、。こういうのが作中に示されている
こともあって、百合的にも安心して物語を読み進めることが
できそうです。
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