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2006年2月20日 (月)

「くちびる ためいき さくらいろ」

 一迅社百合姫コミックス第1弾として、「ストロベリー
シェイクSweet
」と一緒にリリースされた、森永みるく先生作
くちびる ためいき さくらいろ」です。
 百合姉妹、百合姫を通して制作された全7編が収録
されています。
(ちなみにコミックに収録されている順番は、発表順とは
少し違っています。コミックの方は、だいたい物語中の
時間の流れに沿っているようです。)

 舞台となるのは「桜女」、「東峰」と呼ばれる2つの女子高
です。エピソードごとに異なるヒロイン達が登場し、
それぞれの物語を紡いでいきます。
 何というか全編に甘く切ない空気が流れていて、正に百合
という感じがあります。
 では1話ずつご紹介。

・ともだちじゃなくても。
 小学校からの幼なじみだった奈々と瞳は、別々の高校へと
通うことになってしまった。しかし入学から二ヵ月間、二人は
連絡も取らず会ってもいない。彼女達はもう「ともだち」では
なくなってしまったのか。
 お互いの気持ちを確かめられないまま離ればなれになって
しまった二人を結びつけるものがあるとすれば、それはやはり
相手への思いの強さなんでしょうね。

・天国に一番近い夏。
 加藤さんは以前桜女に在籍していた女の子だが、今は幽霊と
なって、元同級生で養護の先生をしている小松さんを見守って
いる。そんな彼女の日々に、ある時変化が起きる。
 恋とは呼べないくらい未熟な感情を抱いたままそれぞれ別の
道へ進んでしまった二人ですが、また引き合わせられたのは一つの
導きなのでしょう。回想シーンで、加藤さんが真っ赤になって
照れながら言った言葉は、名せりふだと思います。

・キスと恋と王子様
 文化祭の演劇部公演で主役のお姫様に抜擢されたなるみ。
相手の王子様役は、下級生のあこがれの的、橘先輩。胸を
ときめかせながら二人きりで稽古をしていた時、先輩が
思いがけない行動に。
 夢見がちだったなるみも、橘先輩とふれあうようになって、
恋する気持ちをだんだんと知るようになっていくのでしょう。
いいコンビになりそう。

・いつかのこのこい。
 恋愛についてまだよくわからない千里は、高等部から
編入してきた「外部組」の子達の会話にあまりついていけない。
クラスメイトの水城さんに対しても同じだったはずなのだが、
意識は別な方向へ向かい始める。
 千里は、初めて抱いた感情がこういうシチュエーションだと、
かなり苦しいでしょうね。水城さんの方も、千里の本当の
言葉を聞いてどういう風に思ったのか、気になります。

・くちびるにチェリー
 ちはると絵里が同じクラスになったのは、高等部から。
今では大の親友になって、絵里の作るお菓子は必ずちはるが
一番に食べることになっている。でもちはるには、そんな
親友の地位よりも、もっと先を望んでしまう気持ちがあった。
 ちはるも高等部に入り立ての頃は、本当に親しくなりたくて
絵里に声をかけたのかもしれませんね。その後彼女の魅力に
たくさん気づいて、という過程があったのではないかと。

・くすりゆびにキスしたら
 学校が違うため一緒にいられる時間がなかなか作れない
奈々と瞳。会うたびに綺麗になっていく瞳を見て、奈々は
自分が彼女にふさわしいのかわからなくなってくる。
 この二人の場合必然的に街中で会うことが多いわけで、
特に女の子同士だと周囲が気になったりもしますね。
そういう状況にも負けずお互いの気持ちを育てていって
もらいたいです。
 それから、瞳の髪が少し伸びてきているところがまた、、、。

・ホントのキモチ。
 文芸部で純愛ものの小説を書く野坂先輩は、ある日
後輩の美少女みちるに突然告白される。戸惑いながらも
つきあい始め、みちるとの日々をくすぐったい思いで
過ごしていく野坂先輩。そしてある日、、、。
 みちるは何でも手慣れているように描かれていますが、
彼女なりにかなり懸命だったんじゃないかと思います。
好きだからこそああいう事をやってのけられるんじゃないかな。

 「くちびる ためいき さくらいろ」、同じ舞台ながらも
様々な恋愛模様を見ることができる素晴らしい作品だと思います。
「いっさつまるまる百合」なので安心して楽しめますよ。

 ストーリー的にも、ただひたすらつらいというわけではなく、
笑えたり、希望を持つことができたりするのではないかと
思います。

 また森永先生は、アダルトな漫画も描いている経験が
あり、ちょっとしたシーン(着替えなど)でも無理がなく、
かえって場面の奥深さを見ることができます。

 単行本収録の口絵などは、前にも書きましたが登場人物の
心情が表れていて感動させられますね。

 それぞれのエピソードの登場人物が微妙に関わりを
持っている所も面白いです。あの娘はあのせりふを言った時
こういう気持ちだったのかなとか考えてみるのも良い
かもしれません。
 私も思わず人物相関図を作ってしまったくらいで、、、
(よろしかったらご参考までに見てみてください)。

 桜女、東峰での物語の続きが楽しみです。奈々と瞳を
応援してます。

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